ニコンが誇るニッコールレンズの中から、後世に語り継がれる「名玉」を探しているものの、膨大な情報の中からどれを選べば良いか迷っていませんか?
ニコンのレンズ作りには100年以上の歴史があり、その中で生まれたレンズは、単なる撮影機材ではなく、時代の空気や技術者の情熱が込められた工芸品とも言えます。特にフィルムカメラ時代のオールドレンズは、現代のデジタルレンズが持つ均質的な写りとは一線を画す、個性的で味わい深い描写力が再評価されています。
この記事では、そもそもニコンFマウントの神レンズとは何か、そして知っておくべきニコンの銘玉とクセ玉について、基本的な知識から丁寧に解説します。特にオールドレンズにおける神レンズ(ニコン編)に焦点を当て、このニコンFマウントのオールドレンズ特集でその魅力を深掘りします。人気の高いニコンFマウントの神レンズ(単焦点)や、ニコンの神レンズで安いものはあるのか、といった具体的な疑問にもお答えします。
さらに、ニコンのオールドレンズ一覧を参考にしながら、歴史に残るニコンの最高傑作レンズはどれなのかを探求。加えて、ニッコールの名前の由来とは何か、ニコンGタイプとEタイプの違いはどういう点か、そしてAF-Sレンズとは何かといった技術的な背景まで網羅的に解説し、あなたに最適なニコンのオールドレンズ銘玉を紹介していきます。この記事を最後まで読めば、きっとあなたの撮影スタイルに合う、特別な一本が見つかるはずです。
目次
時代を超えるニッコールの神レンズたち

- ニッコールの名前の由来とは?
- オールドレンズにおける神レンズ(ニコン編)
- ニコンの銘玉とクセ玉について
- ニコンFマウントのオールドレンズ特集
- ニコンのオールドレンズ銘玉を紹介
ニッコールの名前の由来とは?
ニコンのレンズブランドとして世界的に知られる「NIKKOR(ニッコール)」。その名前は、ニコンの原点である社名と、当時の世界の潮流を汲み取った戦略的なネーミングに由来します。
1917年に設立されたニコンの旧社名は「日本光学工業株式会社」でした。当初は双眼鏡や顕微鏡などの光学機器を製造していましたが、やがて写真用レンズの開発に着手します。そして1932年、自社開発の写真レンズに商標を与える際、当時の社名の略称であった「ニッコー(NIKKO)」に、レンズ名称の語尾として世界的に流行していたアルファベットの「R」を付け加え、「NIKKOR」という名前が誕生しました。
これは、ドイツの名門カール・ツァイス社の「Tessar(テッサー)」や、同じくドイツのライツ(現ライカ)社の「Elmar(エルマー)」など、著名なレンズブランドが語尾に「R」を用いていた慣習に倣ったものです^^
豆知識:世界基準を目指したネーミング
単なる製品名に留まらず、世界市場で通用するトップブランドを目指すという、当時の日本光学工業の強い意志が込められたネーミングと言えるでしょう。品質への絶対的な自信と、グローバルな視点が「NIKKOR」という名前に集約されています。ニコンの公式サイトでもその歴史が語られている通り、このブランド名はニコンの誇りの象徴なのです。
このようにして生まれたニッコールブランドは、その後90年以上にわたり、報道、宇宙開発、そして芸術写真の世界で数々の革新的なレンズを世に送り出し、プロからアマチュアまで幅広い写真家に愛され続ける絶対的な存在となっています。
オールドレンズにおける神レンズ(ニコン編)

写真愛好家の間で親しみを込めて使われる「神レンズ」という言葉。これは、価格からは想像できないほどの圧倒的な描写力や、唯一無二の表現力を持つレンズに対する最大級の賛辞です。ニコンが過去に生み出してきた膨大なオールドレンズの中にも、この「神レンズ」と称されるモデルが数多く存在します。
神レンズの定義は一つではありませんが、ニコンのオールドレンズにおいては、一般的に以下のような特徴を持つレンズが挙げられます。
神レンズがもたらす特別な体験
- 優れたコストパフォーマンス:中古市場で非常に手頃な価格でありながら、現行の高級レンズに匹敵、あるいはそれ以上の情緒的な描写をするレンズ。
- 独特の味わい:現代レンズが失った、美しいボケ味、雰囲気のあるフレアやゴーストなど、デジタル処理では再現困難な個性的な写りをするレンズ。
- 歴史的な価値:当時の最新技術が投入された、光学史に名を刻むエポックメイキングな設計を持つレンズ。
- 撮影プロセスの楽しさ:ずっしりとした金属の感触や、滑らかなヘリコイドを操作する感覚など、マニュアル操作ならではの「写真を撮っている」という実感を与えてくれるレンズ。
ニコンにおいては、特にマニュアルフォーカス時代の完成形とも言われる「Ai-S NIKKOR」シリーズや、オートフォーカス黎明期のユニークな設計を持つ「Dタイプ」レンズの中に、多くの神レンズが眠っています。これらのレンズは、現代の高性能なデジタルカメラのセンサーでその真価を問うことで、設計当時には見えなかった隠れた性能や新しい魅力を再発見できるという、タイムカプセルのような楽しみも提供してくれます。
「神レンズ」探しは、単に性能の良いレンズを探す旅ではありません。効率や完璧さよりも、偶然の出会いや情緒的な表現を求める、自分だけの写真表現を見つけるための冒険なのです。
ニコンの銘玉とクセ玉について

ニコンのレンズライブラリを探索する上で、「銘玉(めいだま)」と「クセ玉」という二つの評価軸は非常に重要です。これらはレンズの性能や個性を評価する際のキーワードであり、どちらが優れているという単純なものではなく、撮影者がレンズに何を求めるかによってその価値が変わります。
銘玉とは、一般的に諸収差が高度に補正され、解像度が高く、どんな条件下でも撮影者の意図に忠実に応えてくれる高性能なレンズを指します。プロの現場で求められる信頼性や安定性を具現化したような、いわば「優等生」なレンズです。
一方、クセ玉は、性能的には何らかの欠点(例えば、逆光に弱く派手なフレアが出る、周辺光量が大きく落ちる、ボケが二線ボケ傾向にあるなど)を抱えているものの、それがかえって個性的で魅力的な写りを生み出すレンズのことです。その「クセ」を理解し、使いこなすことで、他のレンズでは決して得られないアーティスティックな表現が可能になります。
それぞれの特徴を比較すると、以下のようになります。
銘玉(めいだま) | クセ玉(くせだま) | |
---|---|---|
特徴 | 高い解像力、少ない収差、忠実な色再現、安定した性能 | 個性的なボケ味、特徴的なフレアやゴースト、ソフトな描写、状況を選ぶ性能 |
長所 | 安定した高画質を提供し、オールラウンドに使える信頼性 | 唯一無二の表現が可能で、アーティスティックな写真が撮れる |
短所 | 写りが優等生的で、面白みに欠けると感じる人もいる | クセを理解しないと扱いにくく、意図しない失敗写真になりやすい |
代表例 | Ai Micro-Nikkor 55mm f/2.8S(驚異的な解像度) | Ai Zoom Nikkor 43-86mm F3.5(通称"よんさんぱーろく"、独特の滲み) |
どちらを選ぶべきか
被写体をありのままに美しく記録したい、あるいは商業写真のように正確性が求められる撮影なら「銘玉」が最適です。一方で、自分の作品に強い個性を与えたい、他人とは違う表現を追求したいと考えるなら「クセ玉」との対話を楽しむのが面白いでしょう。ニコンには、これら両極端なレンズが豊富に揃っており、撮影者の創作意欲に応じて選べる奥深さがあります。
細部がとても美しい。MFは慣れればとても楽しい。
Nikon 単焦点マイクロレンズ AI マイクロ 55 f/2.8S
- F2.8の明るさでピント合わせ容易 👁️
- 無限遠から1/2倍まで高描写力 ✨
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- 接写から風景まで幅広く活躍 🌿
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ニコンFマウントのオールドレンズ特集

ニコンのオールドレンズを語る上で、その心臓部とも言えるのが1959年に登場した一眼レフカメラ「ニコンF」から現在まで、半世紀以上にわたって受け継がれてきた「Fマウント」の存在です。
この「不変のFマウント」と呼ばれる、一貫したマウント径とフランジバックの基本設計思想により、数十年前のオールドレンズを現代のデジタル一眼レフカメラで、あるいは純正マウントアダプター「FTZ」を介して最新のZシリーズミラーレスカメラで楽しむことができます。この驚異的な後方互換性の高さが、ニコンのオールドレンズが今なお世界中の写真ファンから絶大な人気を集める最大の理由です。
Fマウントレンズの主要な世代と進化
Fマウントの長い歴史の中で、レンズは機能的にいくつかの世代に分けられます。それぞれの特徴を理解することが、オールドレンズ選びの第一歩です。
- 非Aiレンズ(オートニッコール):1959年~1977年頃。「カニ爪」と呼ばれる露出計連動爪が特徴で、絞りリングの数字表記が1列です。重厚な金属鏡筒と丁寧な作り込みが魅力ですが、装着できるカメラに物理的な制限があるため最も注意が必要です。
- Aiレンズ:1977年~。レンズの開放F値をボディに伝える「Ai(Automatic Maximum Aperture Indexing)」方式に対応。これにより開放測光が可能になり、レンズ装着時の儀式(ガチャガチャ)が不要になるなど、操作性が飛躍的に向上しました。
- Ai-Sレンズ:1981年~。ニコンFAなどのマルチモードAE機に対応するため、絞りの動きをより厳密にリニア(直線的)にした規格。マニュアルフォーカスレンズの完成形とされ、現在でも非常に人気が高いシリーズです。
- Dタイプレンス:1990年代~。CPUを内蔵し、被写体までの距離情報(Distance)をボディに伝える機能を持ちます。これにより、3D-RGBマルチパターン測光やi-TTL調光といった高度な露出制御が可能になった、初期のAFレンズです。
これらのレンズは、日本のmade in Japanというブランドが最も輝いていた時代の製品であり、現在のレンズにはない贅沢な素材と、精密機械としての感触を愉しむことができます。デジタルレンズのカリカリとしたシャープさとは一味違う、柔らかく、光と影の階調、そして空気感まで写し込むような豊かな描写は、オールドレンズならではの魅力と言えるでしょう。
非Aiレンズの取り扱いに関する重要注意点
特に非Aiレンズは、レンズ後部の絞りリング形状が原因で、Ai連動爪を持つデジタル一眼レフ(D7000番台以上やフルサイズ機など)にそのまま装着すると、カメラボディ側の連動爪を破損させる深刻なダメージを与える危険があります。D3400やD5600といった連動爪のないエントリーボディで使用するか、メーカーや専門業者によって後部が加工された「Ai改造レンズ」を選ぶようにしてください。
ニコン製の技術の高さを再発見
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ニコンのオールドレンズ銘玉を紹介

数えきれないほどのバリエーションを持つニコンのオールドレンズの中から、特に「銘玉」として評価が確立され、今なお多くの写真家に愛され続ける不朽の名作を厳選して紹介します。
標準レンズの銘玉:Ai Nikkor 50mm f/1.4S
「標準レンズの帝王」とも称される、全てのレンズの基準となる一本です。ニコンFマウントの50mm F1.4は長い歴史を持ちますが、このAi-Sタイプはその中でも特に完成度が高いと評価されています。F1.4の明るさがもたらす開放での柔らかく美しいボケ味と、少し絞った時のハッとするようなシャープネスの共存が見事です。被写体の持つ繊細な質感や、その場の空気感まで写し撮ると言われる豊かな描写力は、ポートレートからスナップまで、あらゆる場面で撮影者にインスピレーションを与えてくれます。
オールドカメラの必需品
Nikon 単焦点レンズ AI 50 f/1.4S フルサイズ対応
- F1.4の大口径で明るく美しいボケ味を実現 ✨🌟
- 開放からフレア少なく高解像&高コントラスト 📸💎
- 小型軽量で風景からポートレートまで万能対応 🎒🌄
- 効果的なコーティングでゴースト極力防止 🛡️👌
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広角レンズの銘玉:Ai Nikkor 28mm f/2.8S
「偉大なる普通」と評される、コンパクトな広角レンズのスタンダードモデル。このレンズが銘玉たる所以は、ニコンが誇る「CRC(近距離補正機構)」を搭載している点にあります。フローティング機構により、ピント位置に応じてレンズ群の一部を独立して動かすことで、無限遠から最短撮影距離の0.2mまで、驚くほどシャープで歪みの少ない画像を得られます。
広角レンズが苦手とする近接撮影でも高い性能を発揮するため、風景写真からテーブルフォト、建築写真まで、非常に幅広い用途に対応可能です。この一本があれば、広角レンズの表現の奥深さを存分に味わうことができます。
操作感は非常になめらかで、カメラが精密機械であることを思い出させてくれる。
Nikon 単焦点レンズ AI 28 f/2.8S フルサイズ対応
- F1.4の明るさと28mm広角の絶妙なバランス 🌟📐
- 開放からシャープでコントラスト抜群の描写力 ✨💎
- 近距離補正方式で近写性能も優秀な万能設計 🔍👌
- 風景・建築・スナップまで幅広く活躍するレンズ 🏔️🏛️
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望遠レンズの銘玉:Ai Nikkor 105mm f/2.5S
ニコンの歴史を語る上で絶対に外すことのできない、伝説的な中望遠レンズ。
レンジファインダーのSマウント時代から続く伝統の光学設計(クセノタールタイプ)を持ち、特にポートレート撮影においてはその自然で美しいボケ味が被写体を立体的に、かつ気品をもって浮かび上がらせると世界中の写真家から絶賛されました。シャープでありながら硬すぎないピント面と、滑らかに溶けていく背景のコントラストは圧巻の一言。このレンズで撮影された写真は、多くの写真史を彩っています。
オールドレンズ選びに迷ったら、まずはこれらの時代を超えた「銘玉」から手に取ってみることを強くお勧めします。半世紀前の設計とは思えないその描写力に、きっと驚かされるはずです。ニコンの公式コンテンツ「ニッコール千夜一夜物語」でも、これらのレンズの開発秘話が詳しく語られており、その背景を知ることでさらに愛着が湧くことでしょう。また、「2.8S」も「2.5」と並んで人気のレンズです^^
マイクロ 2 本目として購入がお勧め
Nikon 単焦点マイクロレンズ AI マイクロ 105 f/2.8S フルサイズ対応
- ふんわり美しいボケ味で印象的なポートレート 🌸✨
- 中望遠85mmで被写体を際立たせる描写力 📸💫
- コンパクト設計で旅行やお出かけに最適 🎒🚶
- 描写も操作性も抜群の使いやすさ 👌🎯
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あなたに合うニッコールの神レンズ

- ニコンの神レンズで安いものは?
- ニコンFマウントの神レンズ(単焦点)
- AF-Sレンズとは何か?
- ニコンGタイプとEタイプの違いは?
- ニコンの最高傑作レンズは?
- 究極の一本、ニッコールレンズ名玉を探す
ニコンの神レンズで安いものは?
「神レンズ」や「名玉」という称号は、必ずしも高価なレンズだけに与えられるものではありません。ニコンの広大なFマウントの世界には、驚くほど安価でありながら、その価格を遥かに超える優れた描写力を持つ、コストパフォーマンス最強のレンズが数多く存在します。限られた予算の中で最高の写りを求めるなら、これらの「隠れた名玉」から探すのが賢い選択です。
安価な神レンズの筆頭として、まず名前が挙がるのが「AI AF Nikkor 50mm f/1.8D」です。
その圧倒的なコストパフォーマンスから、親しみを込めて「撒き餌レンズ」とも呼ばれています。新品でも1万円台、中古市場では状態の良いものでも1万円以下で見つかることが珍しくありません。しかし、その描写力は決して侮れず、絞り開放から十分にシャープで、F1.8の明るさを活かした美しいボケも楽しめます。小型軽量で取り回しも良く、オールドレンズ入門として、また標準レンズの基本を学ぶための一本として最適です。
軽いカメラにはこれを合わせたい✨
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 50mm F1.8D
- 3D測光対応の標準レンズ 📸
- F1.4で自然なボケ味を実現 ✨
- 軽量コンパクトで持ち運び便利 🎒
- 完成度高い光学系で高描写力 🌟
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狙い目の高コスパ神レンズたち
- Nikon Lens Series E 50mm F1.8:Ai-S Nikkor 50mm F1.8Sとほぼ同じ光学系を持ちながら、鏡筒にエンジニアリングプラスチックを多用してコストダウンを図ったシリーズ。通称「パンケーキレンズ」と呼ばれる薄型軽量設計で、その写りは上位モデルに全く引けを取らないと再評価されています。
- Ai Nikkor 135mm f/3.5S:F2.8のモデルに比べて一段暗いものの、その分コンパクトで非常に安価な中望遠レンズ。しかし光学性能は素晴らしく、シャープでヌケの良い描写と美しいボケ味を手軽に楽しめます。ポートレート入門にも最適です。
- Ai AF Nikkor 28mm f/2.8D:広角レンズの中では中古価格が比較的こなれており、入手しやすい一本。スナップ撮影で最も活躍する画角と、安定した描写力で根強い人気があります。
中古レンズ購入時のチェックポイント
安価なレンズを探す際は、レンズの状態をシビアに確認することが後悔しないための鍵です。特に以下の点には注意しましょう。
・光学系:強い光を当てて、カビ、クモリ、バルサム切れ(レンズの貼り合わせ面の剥がれ)がないか確認。
・ヘリコイド:ピントリングを回し、動きがスムーズで適度なトルク感があるか確認(スカスカ、あるいは重すぎるものはNG)。
・絞り羽根:絞りリングを動かし、羽根に油染みがなく、スムーズに開閉するか確認。
信頼できる中古カメラ店での実物確認や、状態の詳細な説明と保証があるオンラインショップを選ぶことを強く推奨します。
ニコンFマウントの神レンズ(単焦点)

Fマウントの真髄は、その多彩な単焦点レンズ群にあると言っても過言ではありません。単焦点レンズは、ズーム機構を持たない分、光学設計を特定の焦点距離に最適化でき、小型・軽量で、かつ明るい(F値が小さい)レンズを作りやすいという構造上の利点があります。これにより、ズームレンズとは次元の違う高い解像力と、被写体をドラマチックに浮かび上がらせる美しく大きなボケ味を実現しています。
ここでは、数ある単焦点の中でも特に伝説として語り継がれる、究極の神レンズをいくつか紹介します。
夜を制する伝説のレンズ:Ai Noct-Nikkor 58mm f/1.2S
「Noct(ノクト)」は夜想曲を意味し、その名の通り夜間や天体など、極端に暗いシーンでの撮影のために開発された究極の大口径標準レンズです。F1.2という圧倒的な明るさに加え、製造に非常な手間とコストがかかる職人の手作業による研磨非球面レンズを贅沢に採用。これにより、大口径レンズの最大の敵である、点の光源が鳥が羽を広げたようににじむ「サジタルコマ収差」を、絞り開放から極限まで補正しています。その結果、夜景の点光源を歪みのない「点」としてシャープに描写できます。現在でも非常に高価で取引される、まさにコレクターズアイテムであり、ニコンの技術的到達点を示す一本です。
表現者のための大口径広角:Ai Nikkor 35mm f/1.4S
多くの報道写真家やドキュメンタリー写真家に愛用された、F1.4という大口径を持つ広角レンズの代表格です。
広い画角でありながら、被写体の背景を大きく美しくぼかすことができるため、被写体とその場の状況を両立させた、ストーリー性のある表現が可能です。絞り値によって描写が大きく変化するのも特徴で、開放では収差が残存し、柔らかくやや幻想的な描写、絞り込むにつれて画面全体が驚くほどシャープになります。この「二面性」を使いこなすことが、このレンズの醍醐味です。
はっきりした『目的意識』が有る方ならお勧め
Nikon 単焦点レンズ AI 35 f/1.4S フルサイズ対応
- F1.4の圧倒的な明るさを持つ広角レンズ 🌟💡
- 開放からコントラスト高くシャープな描写 ✨📸
- 自然な遠近感で素直な表現が可能 🎯👌
- 風景から室内撮影まで万能に活躍する一本 🏔️🏠
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ポートレートの王道:Nikkor-H Auto 85mm f/1.8

85mmという焦点距離は、被写体との適度な距離感を保ちつつ、自然な遠近感で撮影できることから「ポートレートレンズ」の王道とされています。このレンズはその中でも特にボケ味の美しさで評価が高い一本です。ピントが合った部分のシャープさと、硬さがなく滑らかに溶けていくような背景ボケが、被写体の存在感を優しく、そして力強く引き立てます。(非Aiレンズのため、使用できるボディには注意が必要です)
背景もよくボケてくれます。被写体が目立つような撮影が出来ますね
Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G フルサイズ対応
- F1.4の大口径で極上のボケ味 ✨
- 円形絞りで美しい玉ボケ実現 🎨
- IF方式で素早いピント合わせ 🎯
- ポートレート撮影の決定版 📸
Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G フルサイズ対応を詳しく見る>>
AF-Sレンズとは何か?

ニコンの現行レンズや比較的新しい中古レンズの名称に必ずと言っていいほど含まれる「AF-S」という記号。これは、レンズ内にオートフォーカスを駆動させるための「SWM(Silent Wave Motor)」、すなわち超音波モーターが内蔵されていることを示すものです。
この技術が登場する以前のAFレンズ(Dタイプなど)は、カメラボディ側に内蔵されたモーターの回転を、物理的なカップリング(軸)を介してレンズに伝え、ピントを合わせていました。これに対し、AF-Sレンズはレンズ自体が駆動源を持っているため、ボディ側のモーターに依存しない、独立したAF駆動システムとなっています。
AF-Sレンズがもたらした3つの革新
- 高速・高精度・静粛なAF:超音波モーターは、圧電セラミックスに電圧をかけることで発生する進行波を利用してローターを回転させる仕組みです。これにより、従来のギアを介したモーター駆動に比べて、桁違いに静かで、かつ高速・高精度なオートフォーカスを可能にしました。動画撮影や、物音を立てられない舞台撮影、野生動物の撮影などで絶大な効果を発揮します。
- ボディを選ばないAF性能:ニコンのデジタル一眼レフの中でも、D3000シリーズやD5000シリーズといったエントリークラスの小型ボディには、コストとサイズの制約からボディ内モーターが搭載されていません。AF-Sレンズであれば、これらのカメラでも完全なオートフォーカス機能を使用することができます。
- M/Aモード(フルタイムマニュアルフォーカス):AFでピントを合わせた後、フォーカスモードを切り替えることなく、シームレスにピントリングを回して最終的なピントの微調整が可能です。被写体の目に正確に合わせたいポートレートや、マクロ撮影などで非常に便利な機能です。
現在発売されているニコンのAFレンズのほとんどは、このAF-S技術、または後継のAF-P(ステッピングモーター)技術を採用しています。オールドレンズとは少し時代が新しくなりますが、中古市場では比較的手頃な価格になっている初期のAF-Sレンズもあり、現代的な使い勝手と描写の味わいを両立した「実用的な神レンズ」として非常に魅力的です。
ニコンGタイプとEタイプの違いは?

AF-Sレンズが主流になる中で登場したのが、レンズ本体から絞りリングを廃した「Gタイプ」と、さらにその進化形である「Eタイプ」のレンズです。どちらも絞り値をカメラボディ側で設定する点は共通ですが、両者の間には絞りを物理的に動かすメカニズムに決定的な違いがあり、それが性能や互換性に大きな影響を与えています。
その本質的な違いは、Gタイプがボディからの物理的なレバーの動きで絞り羽根を動かす伝統的な「機械式絞り」であるのに対し、Eタイプはボディからの電気信号を受けてレンズ内のモーターが絞り羽根を直接駆動する先進的な「電磁絞り」を採用している点です。
この違いにより、特に高速性能を求める場面で大きな差が生まれます。
Gタイプ (Gelded) | Eタイプ (Electromagnetic) | |
---|---|---|
絞り制御 | 機械式(ボディ側の絞り連動レバーで駆動) | 電磁式(電気信号でレンズ内モーターが絞りを駆動) |
メリット | 比較的多くのデジタル一眼レフや一部の後期フィルムカメラと互換性がある。 | 秒間10コマを超えるような高速連写時でも、コマごとの露出が非常に安定する。動画撮影時の絞り動作が滑らか。 |
デメリット | 超高速連写時に、機械的な連動の限界から露出がわずかにばらつくことがある。 | 電磁絞りに対応していない古いカメラでは絞りが動かず、実質的に開放絞りでしか使用できない。 |
互換性の目安 | D3、D700、D300以降の多くのデジタル一眼レフに対応。 | D4、D800/D810、D600/D610、D7100以降の比較的新しいモデルに対応。 |
Eタイプレンズの互換性を必ず確認
Eタイプレンズは最新の光学性能を持つ魅力的な製品が多いですが、その性能を完全に引き出すには対応したカメラボディが不可欠です。特に古いデジタル一眼レフやフィルムカメラでの利用を考えている場合は、絞りが機能しないなどの制約があるため、購入前に必ずニコン公式サイトのサポートページ等で互換性情報を確認してください。(参照:株式会社ニコンイメージングジャパン)
ニコンの最高傑作レンズは?

「ニコンの歴史における、ただ一本の最高傑作レンズは何か?」という問いは、写真愛好家にとって永遠のテーマかもしれません。しかし、この問いに対する万人が納得する唯一の答えは、存在しないと言ってよいでしょう。なぜなら、「最高傑作」の定義は、撮影するジャンル、時代背景、そして写真に何を求めるかという個人の価値観によって大きく異なるからです。
しかし、それぞれの分野において、技術的、歴史的に見て「最高傑作」と呼ぶにふさわしい、時代を象徴するレンズは確かに存在します。
解像度と忠実再現の傑作群:Micro-Nikkor(マイクロニッコール)シリーズ
マクロ撮影用レンズであるマイクロニッコールは、複写や学術記録といった極めて高い精度が求められる用途を想定して開発されたため、設計当初から歪曲収差を極限まで抑え、画面の隅々まで均質で高い解像力を追求しています。特に「Ai Micro-Nikkor 55mm f/2.8S」は、その完璧に近い描写から、マクロ撮影のみならず風景や建築写真でも最高の性能を発揮する傑作として不動の地位を築いています。
細部がとても美しい。MFは慣れればとても楽しい。
Nikon 単焦点マイクロレンズ AI マイクロ 55 f/2.8S
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大口径レンズという夢の到達点:Ai Noct-Nikkor 58mm f/1.2S
前述の通り、夜間撮影という特定の目的のためだけに、コストと製造効率を度外視して作られたこのレンズは、まさに「技術の結晶」です。ニコンが持つ光学技術の粋を集め、非球面レンズという当時の最先端技術を惜しみなく投入した、思想そのものが傑作と言える一本です。
現代ズームレンズの概念を変えた傑作:AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
ニコンの威信をかけて開発された「大三元」広角ズームレンズ。2007年の発売当時、ズームレンズでありながら、多くの単焦点レンズを凌駕すると言われたほどの圧倒的な描写力で世界中の写真家に衝撃を与えました。ナノクリスタルコートやEDレンズ、非球面レンズを贅沢に採用し、超広角域の描写を新たな次元へと引き上げました。風景や星景写真、建築写真の分野では今なお最高峰のレンズとして君臨し続けています。
このように、様々な「最高傑作」が存在します。大切なのは、誰かの評価における「最高」を探すのではなく、あなたが撮りたい写真、表現したい世界にとっての「最高のパートナー」となるレンズを見つけ出すことです。それこそが、数多の星の中から自分だけの一番星を見つけるような、レンズ選びという旅の最大の醍醐味と言えるでしょう。
大三元中三元も良し。ズームF値レンズも個性的
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究極の一本、ニッコールの神レンズを探す
この記事のポイント
- ニッコールという名称はニコンの旧社名「日本光学」の略称「ニッコー」に由来する
- 神レンズとは価格を遥かに超える描写力や唯一無二の個性を持つレンズへの賛辞である
- 銘玉はあらゆる状況で安定した高性能を発揮し、クセ玉は個性的な描写が魅力のレンズを指す
- 1959年から続く不変のFマウントにより半世紀以上前のオールドレンズが現代でも活用できる
- 旧式の非Aiレンズは装着できるカメラに物理的な制限があるため購入前に互換性の確認が必須
- Ai-Sレンズはマニュアルフォーカスレンズの一つの完成形として現在でも非常に評価が高い
- 標準レンズの銘玉としてまず名前が挙がるのは空気感まで写すと言われるAi Nikkor 50mm f/1.4S
- コストパフォーマンスに優れた神レンズとして有名なのがAI AF Nikkor 50mm f/1.8Dである
- 単焦点レンズは光学設計に無理がなく、明るさと高い描写力で神レンズと呼ばれる名作が多い
- AF-Sとは超音波モーターを内蔵し高速かつ静粛なオートフォーカスを実現する技術のこと
- Gタイプは機械式絞り、Eタイプは電磁絞りを採用しており、後者の方が高速連写時の露出が安定する
- 高性能なEタイプレンズは古いデジタル一眼レフやフィルムカメラでは使用できない場合がある
- どのレンズが最高傑作かは撮影ジャンルや個人の価値観によって異なり、絶対的な答えはない
- マイクロニッコールシリーズは解像力と忠実な再現性を徹底的に追求した傑作レンズ群である
- カタログスペックだけでなく、自身の撮影スタイルに合った自分だけの名玉を見つけることがレンズ選びの楽しみである
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