ニコンの一眼レフカメラが紡いできた長い歴史の中で、ひとつの時代を築き上げた「Dタイプレンズ」。
オートフォーカスが普及し、フィルムカメラが成熟期を迎えた1990年代に登場し、デジタル一眼レフの黎明期までを力強く支えました。
この記事では、現代のレンズとは一味違う魅力を持つニコンのDタイプレンズとは何か、という基本的な知識から、その性能を最大限に引き出すAFの仕組みや具体的な使い方、そしてミラーレスカメラで活用するためのレンズアダプター事情まで、プロの視点で徹底的に解説します。
さらに、中古市場という宝の山から自分だけの一本を見つけ出すための具体的なチェックポイント、珠玉の単焦点レンズを網羅したニコンのDレンズ一覧、そして撮影者の個性を引き立てるニコンの銘玉やクセ玉の奥深い世界にご案内します。ただ古いだけではない、今だからこそ価値が輝くDタイプレンズのすべてが、ここにあります。
ニコンDタイプレンズ銘玉の基本知識を解説

- そもそもニコンDタイプレンズとは?
- ニコンDタイプレンズのAFについて
- 基本的なニコンDレンズの使い方
- ニコンDタイプレンズアダプターの選び方
- ニコンDタイプレンズ中古購入時の注意点
そもそもニコンDタイプレンズとは?
ニコンのDタイプレンズとは、主に1990年代から2000年代にかけて市場の主力を担った、ニコンFマウント用のオートフォーカス(AF)レンズ群を指します。ニコンがオートフォーカス一眼レフシステムを確立していく過程で誕生し、フィルムカメラの最終進化とデジタル一眼レフの黎明期という、二つの時代を繋ぐ重要な役割を果たしました。現代の主流であるGタイプやEタイプレンズとの最も明確な違いは、レンズ鏡筒に物理的な「絞りリング」が備わっている点です。このリングの存在が、Dタイプレンズに時代を超えた高い汎用性をもたらしています。
多くのDタイプレンズは、描写力に定評のあったマニュアルフォーカス(MF)時代のAi-Sニッコールレンズなどの光学設計を継承しつつ、AF化を果たしたモデルです。そのため、最新レンズのようなデジタル補正を前提としたカリカリの解像感とは異なり、アナログ的で豊かな階調や美しいボケ味といった「味」を感じさせてくれます。このオールドレンズのような情緒的な描写と、オートフォーカスによる速写性を両立している点が、Dタイプレンズが今なお多くの写真愛好家から支持される最大の理由でしょう。(参考:ニコン公式サイト Fマウントレンズ製品一覧)
豆知識:なぜ「D」タイプと呼ばれるの?
「D」はDistance(距離)の頭文字です。これは、レンズに内蔵されたエンコーダーによってピント位置を検出し、被写体までの距離情報をカメラボディに伝達する機能を持つことを意味します。この距離情報を用いることで、従来の測光データだけでは難しかった逆光時などの露出精度を飛躍的に向上させる「3D-マルチパターン測光」や、より正確な光量制御を行うストロボ撮影「3D-マルチBL調光」が実現しました。この革新的な技術は、後のGタイプ、Eタイプレンズへと続く礎となっています。
外装にはエンジニアリングプラスチックが多用されているモデルが多く、金属鏡筒のMFレンズに慣れ親しんだユーザーからは、時にその質感を惜しむ声も聞かれます。しかし、それは同時に軽量化とコストダウン、そしてデザイン自由度の向上に貢献しました。結果として、高性能なレンズを誰もが手に入れやすい価格で供給することを可能にしたのです。生産完了から長い年月が経った現在、中古市場では驚くほど手頃な価格で流通しており、ニコンFマウントの奥深いレンズの世界を探求するための、まさに最高の入り口となっています。
ニコンDタイプレンズのAFについて

Dタイプレンズのオートフォーカス(AF)機構を理解することは、レンズの性能を100%引き出す上で極めて重要です。現代のレンズとは根本的に駆動方式が異なるため、組み合わせるカメラボディによってはAFが機能しない場合があります。
DタイプレンズのAFは、レンズ内にAF駆動用のモーターを持っていません。その代わりに、カメラボディ側に内蔵されたモーターの回転力を利用してピント合わせを行います。具体的には、カメラのマウント内にあるモーター軸(カプラー)が、レンズマウント面にある凹み(AFカップリング)に連結し、モーターの回転が物理的にレンズ内のフォーカス群を動かす仕組みになっています。
この方式は「ボディ内モーター駆動」や「カプラー駆動」、あるいは「シャフトドライブAF」とも呼ばれます。
AFが使用できるカメラの条件
Dタイプレンズでオートフォーカスを快適に利用するためには、ボディ内モーターを搭載したニコンの一眼レフカメラが必須となります。ニコンのラインナップでは、伝統的に中級機以上のモデルにこの機能が搭載されてきました。具体的には、DXフォーマットのD7000シリーズ(D7000, D7100, D7200, D7500)やD500、FXフォーマットのD600, D610, D750, D780, D800, D810, D850、そしてプロフェッショナルモデルであるD一桁シリーズ(D3, D4, D5, D6など)がこれに該当します。これらのカメラに装着すると、「ジーッ、ジーッ」という少し大きめの、しかし力強い駆動音と共にAFが作動します。
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重要:AFが使えないカメラに要注意
一方で、ニコンの一眼レフの中でもエントリークラスに位置づけられるモデルでは、ボディの小型・軽量化やコストダウン、そしてレンズ内モーター(AF-S, AF-P)搭載レンズへの最適化を理由に、ボディ内モーターが省略されています。代表的なのが、D3000シリーズ(D3000~D3500)やD5000シリーズ(D5000~D5600)です。これらのカメラにDタイプレンズを装着した場合、電気接点を通じた露出情報のやり取りは可能ですが、AFは一切作動しません。撮影はマニュアルフォーカス(MF)でのみ可能となりますので、中古でDタイプレンズの購入を検討する際には、お持ちのカメラがボディ内モーターを搭載しているか、必ず確認してください。
AFの速度や静粛性においては、超音波モーター(AF-S)やステッピングモーター(AF-P)を搭載した現代のレンズに軍配が上がります。しかし、被写体を的確に捉える精度は決して低くなく、風景、スナップ、ポートレートといった多くの撮影シーンにおいて、今なお十分に実用的なパフォーマンスを発揮してくれます。
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基本的なニコンDレンズの使い方

Dタイプレンズの象徴とも言える「絞りリング」。このアナログな操作部を正しく理解し使いこなすことで、古いフィルムカメラから最新のデジタル一眼レフまで、時代を超えてレンズの性能をフルに引き出すことが可能になります。
デジタル一眼レフでの使い方
ボディ内モーターを搭載したデジタル一眼レフカメラ(例: D850, D780など)でDタイプレンズを使用する場合、最も重要な作法が「絞りリングを最小絞り値に設定し、ロックする」ことです。絞りリングを見ると、F値の数字が最も大きい値(例えばF16、F22、F32など)が橙色などで着色されています。この最小絞り値にリングを合わせ、レンズに備わっている小さなロックスイッチ(爪)で固定します。
この操作により、絞りの制御権がレンズ側からカメラボディ側へと完全に移譲されます。その結果、カメラボディのコマンドダイヤル(主にサブコマンドダイヤル)を使って、ファインダーを覗いたまま直感的にF値を変更できるようになります。もし、絞りリングが最小絞り以外の位置にあると、ボディとレンズの絞り設定に矛盾が生じ、カメラの液晶パネルに「Fee」というエラーメッセージが表示されてシャッターが切れなくなります。
初めて使う際に戸惑いがちな「Fee」エラーですが、原因はこの絞りリングの設定にあることがほとんどです。エラーが出たら、まずは絞りリングが最小値でロックされているかを確認する癖をつけると良いでしょう。
マニュアルフォーカスカメラでの使い方
Dタイプレンズの真価が発揮されるのが、ニコンF3、New FM2、F100といった往年のフィルムカメラと組み合わせた時です。これらのカメラでは、絞りリングを直接回してF値を決定します。「カチッ、カチッ」という明確なクリックストップと共に、自分の指で絞りを設定するダイレクトな操作感は、写真を「撮っている」という実感を与えてくれます。ボディの露出計とも連動するため、絞り優先AEやマニュアル露出での撮影をスムーズに行うことができます。
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絞りリングがもたらす普遍的な価値
絞りリングの存在は、単にレトロな操作感を楽しめるだけでなく、普遍的な互換性という大きなメリットをもたらします。例えば、マウントアダプターを介して他社製のミラーレスカメラで使用する場合、ボディ側から絞り制御ができない組み合わせは少なくありません。しかしDタイプレンズなら、レンズ側のリングで直接絞りを操作できるため、撮影の自由度が全く損なわれません。この機械的な制御機構こそ、Dタイプレンズが単なる「古いレンズ」ではなく、「長く使える資産」として価値を保ち続けている理由なのです。
ニコンDタイプレンズアダプターの選び方

ミラーレスカメラの普及に伴い、マウントアダプターを介して往年の名レンズを楽しむスタイルが一般的になりました。Dタイプレンズも例外ではありませんが、そのAF機構の特性上、アダプター選びには慎重な判断が求められます。
ニコン純正マウントアダプター「FTZ」「FTZ II」
ニコンのZシリーズミラーレスカメラで、膨大なFマウントレンズ資産を活かすために開発されたのが、純正のマウントアダプター「FTZ」および「FTZ II」です。これらのアダプターを使えば、Dタイプレンズを物理的にZシリーズのボディに装着し、AE(自動露出)を効かせた状態での撮影が可能になります。
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純正アダプターではAFが使えないという制約
ここで最も重要な点は、純正のFTZ/FTZ IIアダプターには、DタイプレンズのAFを駆動させるためのモーターやAFカップリングが搭載されていないことです。これは、アダプターの設計をレンズ内モーター搭載のAF-S/AF-Pレンズに最適化し、小型化や信頼性を優先した結果です。そのため、DタイプレンズをFTZ/FTZ II経由でZシリーズカメラに装着した場合、オートフォーカスは一切機能せず、マニュアルフォーカスでのピント合わせが必須となります。Zカメラのピーキング機能を活用すれば精密なピント合わせは可能ですが、動体撮影などAFの速度が求められるシーンには不向きです。
AFを可能にするサードパーティ製アダプターという選択肢
「どうしてもミラーレスカメラでDタイプレンズのAFを使いたい」という熱心なユーザーの声に応える形で、サードパーティからAF駆動モーターを内蔵した特殊なアダプターが開発・販売されています。その代表格が、焦点工房の「モンスターアダプター」シリーズです。
この種のアダプターは、内部にモーターとレンズを制御するCPUを搭載しています。カメラボディからのAF信号をアダプターが受け取り、それをモーターの回転に変換してレンズ側のAFカップリングを物理的に駆動させることで、本来不可能なはずのAF動作を実現します。ソニーEマウント用やニコンZマウント用がラインナップされており、多くのDタイプレンズでAF撮影を楽しむことが可能になります。
ただし、これはあくまで純正ではないサードパーティによるソリューションであるため、いくつかの注意点も存在します。
- レンズやカメラの機種によってはAF速度が遅かったり、精度が不安定になることがある
- アダプターのファームウェアアップデートが必要になる場合がある
- バッテリーの消費が早くなる傾向がある
導入を検討する際は、メーカーサイトで公開されている対応レンズリストやユーザーレビューを十分に調査し、その特性を理解した上で選択することが賢明です。
Dタイプレンズの描写を気軽に楽しむならFTZでのMF撮影、AFの利便性まで求めるならモンスターアダプター、というように目的によって使い分けるのが良さそうですね。いずれにせよ、選択肢があるのは嬉しいことです。
Nikonのレンズ資産を活用できる商品
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ニコンDタイプレンズ中古購入時の注意点

Dタイプレンズの多くは生産完了から年月が経過しており、その入手方法は中古品がメインとなります。魅力的な価格で手に入る反面、個体によってコンディションは様々です。購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下のチェックポイントをしっかりと押さえておきましょう。
最重要項目:光学系の状態
レンズの心臓部である光学系のコンディションは、画質に直結する最も重要な要素です。購入時には、強いペンライトなどを当てながら、レンズの内部を様々な角度から入念にチェックしましょう。
チェック項目 | 状態 | 写りへの影響 |
---|---|---|
カビ | レンズ内部に蜘蛛の巣や木の枝のような菌糸状の模様が発生している状態。 | 軽度なら影響は少ないが、広がると解像度の低下やコントラストの低下を招く。 |
クモリ | レンズ内部のガラス面やコーティングが白っぽく変質している状態。 | 画面全体がソフトフォーカスのように滲み、コントラストが著しく低下する。逆光時にフレアが出やすい。 |
バルサム切れ | 複数枚のレンズを貼り合わせている接着剤(バルサム)が剥離し、虹色の模様や気泡が見える状態。 | 解像度の低下につながる。修理は非常に高額か、ほぼ不可能。 |
キズ・スレ | レンズ表面のコーティングやガラス面に付いた傷。 | 前玉の小さな傷は写りに影響しないことが多いが、後玉の傷は画質に影響しやすい。 |
メカニズム部分の動作確認
AFや絞りなど、機械的な部分のスムーズな動作も快適な撮影には不可欠です。可能であれば、ご自身のカメラに装着してテストするのが最も確実です。
- AFの動作:AFが正常に作動するかはもちろん、作動時に「キーキー」といった甲高い異音(通称:AF鳴き)がしないかを確認します。これは内部ギアのグリス切れや摩耗が原因で、修理が必要になる場合があります。
- 絞り羽根の動作:絞りリングを操作した際、あるいはカメラのプレビューボタンを押した際に、絞り羽根がスムーズに開閉するかをチェックします。油分が滲んで動きが鈍くなっている「粘り」があると、露出が不安定になります。
- ピントリングの感触:マニュアルフォーカスでピントリングを回した際のトルク感(抵抗感)も重要です。軽すぎてスカスカの状態や、逆に重すぎてスムーズに回せない状態は、精密なピント合わせの妨げになります。
安心して購入するための秘訣
最も安心して状態の良い中古レンズを手に入れる方法は、やはり保証制度の整った大手中古カメラ販売店を利用することです。専門知識を持ったスタッフによる検品が行われ、ランク付けされた商品には通常3ヶ月から1年程度の動作保証が付いています。万が一初期不良があった場合でも返品や交換が可能なので、特に初心者の方には強くお勧めします。オンラインのフリマアプリなどを利用する際は、商品の説明文や掲載写真を隅々まで確認し、少しでも疑問があれば出品者に質問するなど、慎重な判断が求められます。
おすすめのニコンDタイプレンズ銘玉を紹介

- 代表的なニコンDレンズ一覧
- 珠玉のニコンDタイプレンズ単焦点
- ポートレート撮影向けの中望遠レンズ
- 隠れた実力派の広角ズームレンズ
- 個性派ぞろいニコンの銘玉・クセ玉
- 総括!ニコンDタイプレンズ銘玉の魅力
代表的なニコンDレンズ一覧
Dタイプレンズのラインナップは非常に多岐にわたりますが、その中でも特に人気と評価が高く、中古市場でも比較的手に入れやすい代表的なモデルをスペックと共に一覧にまとめました。あなたのレンズ探しのスタート地点として、ぜひご活用ください。
カテゴリ | レンズ名 | 最短撮影距離 | フィルター径 | 特徴 | 中古相場(目安) |
---|---|---|---|---|---|
単焦点レンズ | Ai AF Nikkor 20mm f/2.8D | 0.25m | 62mm | 歪みが少なくキレのある描写が魅力の軽量コンパクトな超広角レンズ。 | 15,000円~25,000円 |
Ai AF Nikkor 35mm f/2D | 0.25m | 52mm | スナップ撮影の王道。小型軽量で取り回しやすく、自然で素直な画角。 | 15,000円~25,000円 | |
Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D | 0.45m | 52mm | F1.4の明るさと美しいボケ味が楽しめる標準レンズの定番。コストパフォーマンスも高い。 | 20,000円~30,000円 | |
Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IF | 0.85m | 77mm | 「ポートレートの銘玉」の異名を持つ一本。とろけるようなボケと立体感は圧巻。 | 55,000円~70,000円 | |
Ai AF DC-Nikkor 105mm f/2D | 0.9m | 72mm | ボケの描写を自在に操れるDC機構を搭載。85mmと並ぶポートレート用レンズ。 | 65,000円~85,000円 | |
Ai AF DC-Nikkor 135mm f/2D | 1.1m | 72mm | DC機構搭載の中望遠。被写体との距離感を保ちつつ、美しいボケを作り出せる。 | 75,000円~95,000円 | |
ズームレンズ | Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED | 0.33m | 77mm | 隠れた銘玉と呼ばれる高性能広角ズーム。軽量ながらシャープな描写。 | 18,000円~28,000円 |
Ai AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF | 0.21m (マクロ時) | 72mm | 標準域をカバーし、便利なマクロ機能も搭載した万能ズーム。 | 15,000円~25,000円 | |
Ai AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW> | 1.5m | 77mm | F2.8通しの高性能望遠ズーム。通称「直進ズーム」としても知られ、根強い人気を誇る。 | 30,000円~50,000円 |
※中古相場は2025年10月現在の目安であり、レンズの外観・光学系の状態によって大きく変動します。
画角の広さと、画質の柔らかさ
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 20mm f/2.8D
- 傑作FA77並みのボケ質 ✨
- 軽量270gで持ち歩き最適 🎒
- F4で抜群の解像感を実現 📸
- スナップに丁度良い画角 🌟
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ペンタックスのFA77を思わせる美しいボケ
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 35mm f/2D
- 画角62°自然な描写の35mm Dタイプレンズ 📷
- 小型軽量ながら開放から コントラスト高い鮮明な画像 🔍
- 歪曲収差を良好に補正 無限遠から至近距離までシャープ ✨
- 多層膜コート採用で色再現性優秀 風景・スナップに最適な常用レンズ 🌄
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 35mm f/2Dを詳しく見る>>
ボケが大きいコスパ最高なレンズ
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
- F1.4の大口径で美しいボケ ✨
- 軽量コンパクトな標準レンズ 📷
- フィルム・デジタル両対応 🎞️
- 初めての単焦点に最適 🌟
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 50mm F1.4Dを詳しく見る>>
ピント面は現代のレンズに比べれば線が細いが、ボケが綺麗!!
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IF
- F1.4の大口径で極上のボケ味 ✨
- 円形絞りで美しい玉ボケ実現 🎨
- IF方式で素早いピント合わせ 🎯
- ポートレート撮影の決定版 📸
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IFを詳しく見る>>
とても個性的なAFレンズ
Nikon 単焦点レンズ Ai AF DC Nikkor 105mm f/2D
- DCリングでボケ味を自在調整 🎨✨
- F2の明るさで美しい描写力 📸
- RF方式で高速AFと高画質両立 🎯
- ニコン独自のユニーク設計 ⚙️
Nikon 単焦点レンズ Ai AF DC Nikkor 105mm f/2Dを詳しく見る>>
コスパも良く、軽量で持ち運びも便利
Nikon 超広角ズームレンズ AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
- 画角100度の超広角ズーム 🌄
- 軽量385gで機動性抜群 🎒
- EDレンズで高解像な描写 ✨
- 静音SWM搭載で快適AF 📸
Nikon 超広角ズームレンズ AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDを詳しく見る>>
古いレンズですがAFは早く、写りもバッチリ
Nikon 標準ズームレンズ Ai AF NIKKOR 24-85mm f/2.8-4D IF
- 広角24mmから中望遠85mmまで 📸
- 最大撮影倍率1/2倍のマクロ撮影 🌸
- 非球面レンズで高い光学性能 ✨
- IF方式で近距離も明るく撮影 🎯
Nikon 標準ズームレンズ Ai AF NIKKOR 24-85mm f/2.8-4D IFを詳しく見る>>
コスパ最強の200mm
Nikon Ai AF Zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8D
- F2.8通しの明るい望遠ズーム 📸
- EDレンズでシャープな描写力 ✨
- クリーミーな美しいボケ味 🎨
- プロ級性能でコスパ抜群 💪
Nikon Ai AF Zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8Dを詳しく見る>>
珠玉のニコンDタイプレンズ単焦点

Dタイプレンズの真髄を味わうなら、まずは単焦点レンズから始めることを強くお勧めします。
そこには、現代のレンズが効率化の過程で失ってしまったかもしれない、豊かな魅力が凝縮されています。その魅力を端的に表すなら「小型・軽量・明るい・そして驚くほど安い」という、まさに四拍子が揃った奇跡のバランスと言えるでしょう。
最新のレンズが高画質を追求するあまり、大きく、重く、そして高価になっていく中で、Dタイプの単焦点レンズは驚くほどコンパクトです。例えば、「Ai AF Nikkor 50mm f/1.8D」は、その薄さから「パンケーキレンズ」とさえ呼ばれることがありながら、その描写力は非常にシャープで、多くのプロ写真家からも高い評価を受けてきました。このようなレンズは、威圧感を与えることなく被写体に寄り添え、日常のスナップ撮影に気軽に持ち出すことができます。
そして何より衝撃的なのが、そのコストパフォーマンスです。F1.4やF1.8といった、背景を美しくぼかすために不可欠な明るい大口径レンズが、状態の良いものでも数万円、モデルによっては1万円台から手に入れることが可能です。これは、これからカメラを始める方が最初の単焦点レンズとして選ぶにも、ベテランが新たな表現を求めてコレクションに加えるにも、この上ない魅力となります。デジタル補正に頼らない、レンズそのものの光学性能が素直に表れる描写は、最新のデジタル一眼レフに装着しても全く色褪せることがありません。Dタイプ単焦点レンズは、オールドレンズの持つ「味」と現代レンズに求められる「利便性」を、最も理想的な形で融合させた存在なのです。
軽いカメラにはこれを合わせたい✨
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 50mm F1.8D
- 3D測光対応の標準レンズ 📸
- F1.4で自然なボケ味を実現 ✨
- 軽量コンパクトで持ち運び便利 🎒
- 完成度高い光学系で高描写力 🌟
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 50mm F1.8Dを詳しく見る>>
ポートレート撮影向けの中望遠レンズ

数あるDタイプレンズの中でも、ひときわ特別な輝きを放ち、多くの写真家に「銘玉」として愛され続けているのが、ポートレート撮影に特化した中望遠レンズ群です。ここでは、その双璧をなす伝説的な2本を詳しくご紹介します。
Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IF
「ポートレートニッコール」の代名詞的存在であり、ニコンのレンズ哲学を象徴する一本です。ニコンが理想とする「三次元的ハイファイ(高再現性)」、つまり、ピント面はあくまでシャープに、しかしそこから外れた前後のボケはどこまでも滑らかに連続していくという思想を、高いレベルで体現した元祖とも言えるレンズです。
F1.4の絞り開放で撮影した際の描写は圧巻の一言。被写体が背景からふわりと浮かび上がるような強烈な立体感と、ざわつきを感じさせないとろけるようなボケ味は、このレンズでしか得られないものです。IF(インナーフォーカス)方式の採用により、ピント合わせでレンズの全長が変わらないため、撮影時のホールディングバランスが崩れない点も高く評価されています。現代のレンズのように収差をデジタル的に消し去るのではなく、美しい描写に必要な収差を意図的に残すことで生まれる、硬すぎない柔らかさと空気感。まさに人物を魅力的に撮るために生まれてきたレンズです。
Ai AF DC-Nikkor 135mm f/2D
ニコンの長い歴史の中でも、他に類を見ない極めて独創的な機能を備えた、唯一無二の中望遠レンズです。その核心技術が「DC(Defocus-image Control)」機構です。これは、レンズ鏡筒に設けられたDCリングを操作することで、ボケの描写を撮影者の意図通りに積極的にコントロールできるという画期的な機能です。(出典:ニコン公式サイト Ai AF DC-Nikkor 135mm f/2D 仕様表)
ボケを創造する「DC(デフォーカスイメージコントロール)」機能
DCリングには、基準位置の「0」を中心に、前景のボケを柔らかくする「F(フロント)」側と、後景のボケを柔らかくする「R(リア)」側の目盛りが刻まれています。例えば、人物の背後の木漏れ日をより滑らかにぼかしたい場合はR側に、手前の花をふんわりとぼかしたい場合はF側にリングを設定します。これは、レンズの球面収差を意図的にコントロールすることで実現しており、ボケのエッジ部分の硬さ(二線ボケなど)を自在に調整できます。さらに、DCリングを実際の絞り値よりも大きな数値に設定すれば、往年のソフトフォーカスレンズのような、芯がありつつも全体が滲む幻想的な描写を得ることも可能です。
このDC機能を使いこなすにはある程度の経験と理解が必要ですが、一度その効果をマスターすれば、他のレンズでは決して到達できない、自分だけのオリジナルなボケ表現を追求できます。まさに撮影者の感性に深く応えてくれる、玄人好みの銘玉です。
隠れた実力派の広角ズームレンズ

Dタイプレンズというと、個性的な単焦点レンズの影に隠れがちですが、ズームレンズの中にも決して見過ごすことのできない、コストパフォーマンスに優れた「銘玉」が存在します。その代表格が、「Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED」です。
F2.8通しの「大三元」ズームレンズのような華々しいスペックではありませんが、その実力は侮れません。
レンズ名にあるED(特殊低分散)ガラスの採用により、広角レンズで特に問題となる色収差(被写体の輪郭に現れる色ズレ)を効果的に抑制。さらに非球面レンズも組み込むことで、画面の隅々まで歪みの少ないシャープな描写を実現しています。特に驚かされるのが、絞り開放から十分に実用的なシャープネスを発揮する点です。D850のような最新の高画素デジタル一眼レフと組み合わせても、その精細な描写力は決して見劣りしません。
そして、このレンズのもう一つの大きな美点が、その圧倒的な軽量コンパクトさです。重量は約370g。最新の同クラスの広角ズームレンズが500gを超えることが多い中、この軽さは大きなアドバンテージとなります。システム全体を軽くまとめたい旅行や、一歩でも多く歩きたい風景撮影、長時間の撮影となる登山などでは、この軽さが撮影者のフットワークを大きく向上させてくれるでしょう。逆光にも比較的強く、クリアな画質を保ちやすいのも嬉しいポイントです。中古市場では2万円前後という手頃な価格で流通しており、これから広角ズームを始めたいと考えているユーザーにとって、これ以上ない選択肢と言っても過言ではありません。
「F2.8通しではないから」という理由だけで選択肢から外してしまうのは、あまりにもったいないレンズです。こういう、スペックシートだけではわからない実力派レンズを見つけ出すことこそ、中古レンズ探しの真の醍醐味かもしれませんね。
コスパも良く、軽量で持ち運びも便利
Nikon 超広角ズームレンズ AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
- 画角100度の超広角ズーム 🌄
- 軽量385gで機動性抜群 🎒
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Nikon 超広角ズームレンズ AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDを詳しく見る>>
個性派ぞろいニコンの銘玉・クセ玉

レンズを評価する尺度は、決して解像力や収差の少なさといった光学性能だけではありません。時には、設計上の「欠点」や「クセ」が、唯一無二の魅力的な描写、いわゆる「味」として写真に深みを与えることがあります。Dタイプレンズが生まれた時代は、デジタル補正が前提ではなかったため、こうした個性的な「銘玉」や「クセ玉」が数多く存在します。
例えば、「Ai AF Zoom Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF」は、その好例と言えるでしょう。このレンズは、広角から中望遠までをカバーする標準ズームでありながら、最短撮影距離が非常に短く、専用のスイッチで切り替えれば最大撮影倍率1/2倍という本格的なマクロ撮影が可能です。この利便性の高さから、一本で何でもこなしたいユーザーに重宝されました。
その一方で、広角側の24mmでは無視できないレベルの樽型歪曲収差(画面中心が膨らんで見える歪み)が発生します。現代の基準で見れば、これは明確な欠点かもしれません。しかし、この歪みを活かして被写体に思い切り寄れば、強烈なパースペクティブ(遠近感)を伴ったダイナミックな表現が可能になります。また、全体的にコントラストが柔らかく、フレアが出やすい傾向がありますが、これがポートレート撮影では肌を滑らかに見せ、逆光のシーンでは幻想的な雰囲気を作り出す効果をもたらすのです。
レンズの「性格」を理解し、手なずける楽しみ
最新のレンズが、誰が使っても80点以上の優等生的な写りを提供してくれるのに対し、こうした個性派レンズは、撮影者がそのレンズの「性格」—得意なこと、苦手なこと—を深く理解し、それを逆手にとって表現に活かすという、より積極的な関わりを求めてきます。完璧ではないからこそ面白い。スペックシートの数字だけを追いかけるのではなく、レンズとの対話を楽しみながら自分だけの表現を探求する。それこそが、Dタイプレンズを含むオールドレンズの最も奥深い魅力と言えるでしょう。
古いレンズですがAFは早く、写りもバッチリ
Nikon 標準ズームレンズ Ai AF NIKKOR 24-85mm f/2.8-4D IF
- 広角24mmから中望遠85mmまで 📸
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総括!ニコンDタイプレンズ銘玉の魅力
この記事を通じて、ニコンDタイプレンズが持つ多面的な魅力をご理解いただけたことでしょう。最後に、その要点を改めて整理します。これらのポイントが、あなたの新たなレンズ選びの一助となれば幸いです。
この記事のポイント
- Dタイプレンズはフィルムとデジタルの過渡期を支えた歴史的なレンズ群
- 鏡筒に物理的な絞りリングが搭載されているのが最大の設計的特徴
- AFはレンズ内モーターではなくカメラボディ側のモーターによって駆動される
- そのためD3000系やD5000系のエントリークラス一眼レフではAFが使用不可
- 生産完了品が多く中古市場で非常に安価に入手できるモデルが多い
- 絞りリングがあるため古いMFカメラやマウントアダプターとの相性も抜群
- 純正アダプターFTZ/FTZ IIではAFが効かずMFでの使用に限定される
- モンスターアダプター等を使えばミラーレス機でもAFが可能になる選択肢がある
- 中古で購入する際は光学系のカビやクモリ、AFや絞りの機械的動作のチェックが重要
- Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IFは今なお語り継がれるポートレートの銘玉
- Ai AF DC-Nikkor 135mm f/2Dはボケの描写を自在に操れる唯一無二のレンズ
- Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5Dは軽量コンパクトな隠れた実力派広角ズーム
- 現代のレンズにはない独特の描写の「味」や「クセ」を持つレンズも多い
- 解像力やスペック一辺倒ではない奥深いレンズ選びの楽しさを教えてくれる
- 圧倒的なコストパフォーマンスでニコンFマウントの世界を深く楽しむのに最適な選択肢
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