1970年代を代表する機械式フィルムカメラの金字塔、ニコンF2。
ニコンF2フォトミックの種類について、その詳細な違いや選び方を知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
その中でも、露出計を搭載し実用性を高めたフォトミックシリーズは特に人気ですが、約10年の製造期間に5種類ものバリエーションが登場したため、それぞれの特徴を正確に把握するのは簡単ではありませんよね^^;
ニコンF2フォトミックの露出計の使い方や電池交換方法、そして意外と知られていないニコンF2フォトミックファインダーの外し方など、メンテナンスに関わる知識も長く愛用するためには不可欠です。この記事では、ニコンF2フォトミックのシャッタースピードやNikon F2の視野率はどのくらいか、といったカメラとしての基本性能から、Nikon F2で使えるフィルムの種類、そしてシリーズの原点であるニコンf2フォトミックdp 1の特徴と魅力まで、あらゆる角度からニコンF2フォトミックの使い方を詳しく解説していきます。
目次
奥深いニコン f2 フォトミック 種類の基本知識

- 発売年で見るニコン F2の前期と後期の違い
- ニコンF2フォトミックのシャッタースピードは?
- Nikon F2の視野率はどのくらいですか?
- Nikon F2とF2チタンの違いは何ですか?
- ニコン F2 アイ レベルファインダーについて
発売年で見るニコン F2の前期と後期の違い
ニコンF2は、1971年から1980年までの約10年間という長きにわたり、プロフェッショナルの現場を支え続けた名機です。
この長い製造期間の中で、ユーザーからのフィードバックや製造技術の進化に基づき、細かな改良が継続的に加えられていました。これらは公式に「前期型」「後期型」としてアナウンスされたわけではありませんが、中古市場においては、製造時期による仕様の違いを判別するための重要な指標となっています。
特に分かりやすい変更点として挙げられるのが、ミラーの支持金具と巻き戻しクランクの形状です。これらの改良は、報道や極地といった過酷な現場での使用を想定し、さらなる耐久性と操作性の向上を目的として行われたものと考えられています。
前期型には初期モデルならではの魅力があり、後期型には完成度が高まった安定感があります。どちらが良いというわけではなく、それぞれの歴史的な背景を知ることで、お手元の一台に対する愛着がさらに深まるはずです。カメラの性能自体に決定的な差はありませんので、デザインの好みで選ぶのも一つの楽しみ方と言えるでしょう。
| 項目 | 前期型(主に1971年~1976年頃) | 後期型(主に1976年頃~1980年) |
|---|---|---|
| ミラー支持金具 | 一本のシンプルな金属金具でミラーを保持しています。初期の設計思想を色濃く残す部分です。 | 超望遠レンズ使用時のミラーショック対策や耐久性向上のため、Y字型の強化された金具に変更されています。 |
| 巻き戻しクランク | 前モデルであるニコンFのデザインを踏襲した、薄型でやや華奢なデザインが特徴です。 | 厚みと指がかりが増し、手袋をしたままでも操作しやすいように大型化・肉厚な形状に改良されています。 |
| シャッターチャージ表示 | シャッターダイヤル中央にあるチャージ状態を示すインジケーターが、シンプルな白線で描かれています。 | 後期の一部の個体では、視認性を高めるためにインジケーターがオレンジ色に着色されています。 |
中古市場で個体を探す際には、ボディ底面に刻印されたシリアル番号が最も確実な目安となります。ニコンF2のシリアル番号は「F2 71xxxxx」からスタートしており、一般的に番号が大きくなるほど後期に製造された個体である可能性が高まります。
報道のニコンと云われる筋合いがある
- プロ仕様の本格派📷高性能光学ファインダー搭載
- 秒間20コマの高速連写✨決定的瞬間を逃さない
- F2の明るい大口覧レンズ🌟暗所でも鮮明撮影
- ニコンFマウント対応💪豊富なレンズ資産活用可能
ニコンF2フォトミックのシャッタースピードは?

ニコンF2のシャッターユニットは、機械式制御の到達点とも称されるほど、極めて高い信頼性と卓越した性能を誇ります。プロカメラマンがどんな状況下でも決定的な瞬間を逃さないために、その心臓部であるシャッター機構には、当時の最先端技術とクラフトマンシップが惜しみなく投入されました。
ニコンF2のシャッタースピード詳細仕様
- シャッター形式: 高速走行と耐久性を両立した、横走り式チタン幕フォーカルプレーンシャッター
- 最高速度: 1/2000秒。日中の開放撮影や高速な被写体の静止に絶大な威力を発揮します。
- 最低速度: 1秒(シャッターダイヤルでの設定)。これに加え、B(バルブ)、T(タイム)も搭載。
- 長時間露光: セルフタイマーレバーをシャッターボタンに連動させることで、2秒、4秒、6秒、8秒、10秒といった段階的な長時間露光が可能です。
- フラッシュ同調速度: 1/80秒(X接点)。ストロボ撮影の基本となる速度です。
F2が歴史に名を刻む理由の一つが、機械式制御でありながら最高速度1/2000秒を実現した点です。これは、前モデルのニコンFが達成した1/1000秒の2倍の速度であり、より明るいレンズを開放F値で使いこなしたり、動きの速いスポーツシーンを克明に捉えたりと、写真表現の可能性を劇的に広げました。
さらに、プロの現場で重宝されたユニークな機能が「中間シャッタースピード」の存在です。
シャッターダイヤルに刻まれた1/80秒から1/2000秒までの目盛りの間では、クリックストップがなく、任意の位置に無段階でダイヤルを設定することが可能です。これは、機械式のガバナー(遠心力を利用した調速機)でシャッター幕の走行速度を制御している高速側ならではの特性を活かしたもので、ポジフィルム使用時など、1/3段単位での極めて厳密な露出コントロールが求められる場面で絶大な効果を発揮します。
ニコンFから受け継がれ、さらに進化したF2のシャッター幕には、航空宇宙分野でも使用される軽量かつ高強度なチタンが採用されています。薄く加工されたチタン幕は、高速で安定したシャッター動作を可能にするだけでなく、約15万回ともいわれる驚異的なシャッター耐久性を実現しました。温度変化や湿度による伸縮も極めて少なく、極地から熱帯まで、あらゆる環境で確実に作動するという絶対的な信頼感が、F2を「プロのための道具」として完成させたのです。
Nikon F2の視野率はどのくらいですか?

プロフェッショナル向け一眼レフカメラの性能を測る上で、ファインダーのスペックは極めて重要な要素です。特に、撮影者の意図を正確にフィルムへ反映させるための「視野率」は、カメラの格を決定づけると言っても過言ではありません。ニコンF2のファインダーは、その点において一切の妥協なく設計されています。
ニコンF2のファインダースペックは、当時の最高水準を誇ります。
- 視野率: ほぼ100%
- 倍率: 約0.8倍(50mmレンズ使用時、無限遠にて)
視野率が「ほぼ100%」であることの重要性は、ファインダーでフレーミングした構図と、実際にフィルムに写る範囲が寸分の狂いなく一致する点にあります。
これにより、画面の端に意図しない電線が写り込んだり、被写体の手足がわずかに切れてしまったりといった、構図上の失敗を完全に排除できます。厳密なフレーミングが求められる風景写真や建築写真、スタジオでのポートレート撮影など、あらゆるジャンルで撮影者の意図を忠実に再現するための必須条件でした。この仕様は、日本カメラ博物館の「日本の歴史的カメラ」にも選定された、ニコンF2のプロ機としての矜持を示すものです。
ファインダー倍率約0.8倍も、ピント合わせのしやすさに直結する重要なスペックです。十分に大きく、明るくクリアなファインダー像は、被写体の微細なディテールまで確認でき、マニュアルフォーカスでの精密なピント合わせを強力にサポートします。この「見ていて気持ちの良いファインダー」こそ、F2での撮影体験を特別なものにしている要素の一つなのです。
ファインダースクリーンの交換で広がる可能性
さらに、F2はファインダースクリーンを交換できるシステムを採用しています。標準装備のスプリットマイクロプリズム式(K型)のほか、全面マット式や方眼マット式、十字線入りなど、撮影用途に合わせた20種類以上のスクリーンが用意されていました。これにより、超望遠レンズでの撮影やマクロ撮影、建築写真など、専門的な撮影に最適化させることが可能でした。
報道のニコンと云われる筋合いがある
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Nikon F2とF2チタンの違いは何ですか?

Nikon F2の数あるバリエーションの中でも、ひときわ特別なオーラを放ち、コレクターズアイテムとしても高い人気を誇るのが「ニコンF2チタン」です。通常のF2とは一線を画すこのモデルは、単なる素材違いではなく、極限の冒険を支えるために生まれたというドラマチックな背景を持っています。
その最大の違いは、言うまでもなくボディ外装の素材と、その誕生経緯にあります。
世界的な冒険家・植村直己氏の要求から生まれた究極の堅牢性
F2チタンの物語は、1978年に世界で初めて北極点単独行を成し遂げた冒険家・植村直己氏が、ニコンに「極寒の地で絶対に壊れないカメラ」の開発を依頼したことから始まります。この過酷な要求に応えるべく、ニコンの技術者たちが開発したのが、特別仕様の「ニコンF2 ウエムラスペシャル」でした。その心臓部であるチタン外装のコンセプトを、報道カメラマンなどプロの要求に応える形で市販モデルへと展開したのがF2チタンなのです。
この開発経緯については、植村直己冒険館の展示などでもその歴史に触れることができます。
| 項目 | 通常のNikon F2 | Nikon F2チタン |
|---|---|---|
| 外装素材 | 真鍮(クロームメッキまたは黒色塗装)。堅牢だが重量がある。 | 軽量かつ非常に高強度なチタンをペンタ部、トップカバー、ボトムカバーに採用。 |
| 塗装・仕上げ | 滑らかな黒色塗装または美しい光沢のクロームメッキ。 | 光の反射を抑え、滑りにくい独特の凹凸を持つ「縮緬(ちりめん)塗装」。 |
| 刻印 | ボディ前面に「F2」と刻印。 | 報道機関向けに供給された「ネームなし」と、一般市場向けに「Titan」と刻印された「ネームあり」の2種類が存在。 |
| シリアル番号 | 「F2 7xxxxxx」から始まる通常の番号体系。 | ネームなし: 「F2 92xxxxx」、ネームあり: 「F2T 79xxxx」という専用の番号体系。 |
| 希少性・価格 | 中古市場での流通量は多く、比較的入手しやすい。 | 生産台数が極めて少なく、歴史的価値も相まって非常に希少で高価。 |
重要な点として、F2チタンは外装が究極の特別仕様である点が最大の特徴であり、シャッター機構やミラー駆動部といったカメラとしての基本機能は、アイレベルファインダーを装着した通常のF2と全く同じです。その価値は、チタンがもたらす究極の堅牢性という実用面に加え、冒険史に名を刻むその誕生の物語と、極めて高い希少性にこそあるのです。
ニコン F2 アイ レベルファインダーについて

数あるニコンF2の組み合わせの中で、その造形美と機械としての純粋さにおいて最も高い評価を得ているのが、「アイレベルファインダー(DE-1)」を装着したモデル、通称「F2アイレベル」です。このモデルは、F2フォトミックが露出計を内蔵しているのとは対照的に、露出計機能を一切持たないという、極めてストイックな構成が最大の特徴です。
この「何もない」ことが、F2アイレベルに絶対的な信頼性と機能美をもたらしています^^
F2アイレベルが持つ、究極のシンプリシティというメリット
- 洗練された伝統のデザイン: ニコンFから続く、ペンタプリズムの美しい三角屋根が際立つ、時代を超越した精悍なスタイリング。
- 軽量・コンパクトなボディ: 露出計の電気回路や受光素子、電池室が不要なため、フォトミックモデルと比較して明らかに軽量で、取り回しに優れています。
- 絶対的な信頼性: 経年劣化が避けられない電気回路を一切含まないため、CdSの劣化や電子部品の故障といった、オールドカメラに付き物のトラブルと無縁です。
- 完全な電池不要動作: カメラの全ての機能(シャッター、巻き上げ、ミラー駆動など)が、電池なしで完璧に動作します。
これらの明確なメリットから、F2アイレベルは中古カメラ市場においても常に高い人気を維持し続けています。特に、露出計の故障リスクを完全に排除し、純粋な機械式カメラとしての操作感と永続的な信頼性を求めるユーザーから絶大な支持を集めています。単体の露出計を駆使したり、あるいは自身の経験と光を読む「勘」だけを頼りに露出を決定する、「フルマニュアル」という撮影の原点を楽しむのに、これ以上最適なモデルはありません。
ニコンF2は、フォトミックファインダーの装着を前提に、ボディ側に電池室を設けるなど、当初から「露出計内蔵」が標準と考えられていました。しかし、結果としてこの露出計を持たないアイレベルファインダーの姿こそが、多くの写真愛好家にとって「機械式カメラの完成形」として記憶されることになったのは、非常に興味深い事実です。
多様なニコン f2 フォトミック 種類と使い方

- ニコン f2 フォトミック dp 1の特徴と魅力
- 露出計を含むF2フォトミックの使い方を解説
- ニコン F2フォトミックの電池交換方法
- ニコン F2 フォトミックファインダーの外し方
- Nikon F2で使えるフィルムの種類
- まとめ:ニコン f2 フォトミック 種類の違い
ニコン f2 フォトミック dp 1の特徴と魅力
ニコンF2フォトミック(DP-1ファインダー装着モデル)は、1971年にニコンF2が華々しくデビューを飾った際の標準構成であり、F2フォトミックシリーズの歴史の幕開けを象徴する存在です。このモデルは、絶大な信頼を得ていた前モデル、ニコンF用フォトミックFTNファインダーの測光システムを継承しつつ、デザイン、操作性、性能の全てを新時代に合わせて大幅にブラッシュアップさせ、多くのプロカメラマンから喝采をもって迎えられました。
信頼性の高いTTL中央重点測光
DP-1は、レンズを通過した光をカメラボディ内部で直接測定する「TTL(Through-The-Lens)測光」方式を採用しています。これにより、レンズ交換時のフィルター装着や接写時の露出倍数などを自動的に補正し、常に正確な測光が可能です。測光パターンには、ニコン伝統の「中央重点測光」が採用されており、画面の中央部(約60%)を重点的に測光しつつ、周辺部(約40%)の明るさも考慮に入れるため、逆光などの難しい光線状況でも、撮影者の意図を反映させやすい、非常に実践的な方式でした。
直感的なCdS受光素子と追針式メーター
光を電気信号に変換する受光素子には、当時主流であった「CdS(硫化カドミウム)セル」が使われています。そして、その測光結果をファインダー内に表示するのは、露出計の指針と設定値の指針という2本の針を重ね合わせることで適正露出が視覚的にわかる「追針式(定点合致式)」メーターです。このアナログで直感的なインターフェースは、現在のデジタル表示にはない分かりやすさがあり、今なお多くのフィルムカメラファンに愛されています。
フィルムカメラならではの儀式「ガチャガチャ」
DP-1ファインダーは、Ai方式登場以前のモデルであるため、装着したレンズの開放F値をボディに伝達するために、通称「ニコンのガチャガチャ」と呼ばれる一連の操作を必要とします。これは、レンズをボディに装着した後、レンズの絞りリングを最小絞り値(F16など)から開放絞り値(F1.4など)まで、カチカチと音を立てながら一杯に往復させる操作のことです。
この儀式により、ファインダー側の連動ピンがレンズの開放F値を記憶し、開放測光が可能になります。現代のカメラから見れば一手間ですが、機械との対話を楽しむフィルムカメラならではの味わい深い操作と言えるでしょう。
ニコンF用の最終型フォトミックFTNファインダーは、その大きさと形状から「違法建築」と揶揄されることもありましたが、DP-1は設計の最適化により大幅な小型化を達成。F2の流麗なボディラインと見事に調和した、一体感のあるスマートなデザインを実現しました。この優れたデザインバランスも、DP-1が今なお人気を集める大きな魅力となっています。
報道のニコンと云われる筋合いがある
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露出計を含むF2フォトミックの使い方を解説

ニコンF2フォトミックに搭載された露出計は、フィルムという失敗の許されないメディアで撮影する上で、非常に頼りになる機能です。モデルごとに表示方法は異なりますが、基本的な操作手順は共通しています。この使い方をマスターすれば、撮影の成功率が格段に向上します。
ステップ1: ASA(ISO)感度の設定
撮影を始める前に、まず装填したフィルムの感度をカメラに正確に伝える必要があります。この設定を間違えると、露出計が示す値が全て不正確になってしまいます。
操作は、フォトミックファインダー上部、シャッターダイヤルと同軸にあるASA感度設定ダイヤルで行います。ダイヤルの外周部分(「ASA」と刻印されているリング)を軽く持ち上げながら回転させ、使用するフィルムの感度(例: ISO100なら「100」、ISO400なら「400」)を、指標に合わせます。
ステップ2: 露出計の電源をオンにする
F2フォトミックの露出計は、意図しない電池消耗を防ぐため、専用の電源スイッチで管理されています。スイッチは巻き上げレバーと巧妙に連動しています。
- 電源オフ: 巻き上げレバーがボディに完全に収納されている状態。
- 電源オン: 巻き上げレバーを少しだけ外側に引き出すと、ボディ肩部に赤い点(インジケーター)が現れます。この「予備角」の位置で露出計の電源がオンになります。
撮影が終わったら、必ずレバーを収納して電源をオフにする習慣をつけましょう。これにより、電池の寿命を大幅に延ばすことができます。
ステップ3: ファインダー内のメーターで適正露出に合わせる
電源を入れたら、ファインダーを覗き、被写体にカメラを向けて露出を合わせます。表示方法はモデルによって異なります。
追針式モデル(DP-1, DP-11)の場合
ファインダー内には、露出計が示す明るさに応じて動く「測光指針」と、シャッタースピードや絞りの設定に応じて動く「設定指針」の2本が見えます。シャッタースピードダイヤルかレンズの絞りリングを回し、この2本の針が中央でぴったりと重なった状態が、カメラが判断した「適正露出」です。
LED表示モデル(DP-2, DP-3, DP-12)の場合
ファインダー内には「+(オーバー)」「〇(適正)」「-(アンダー)」といったLEDランプが表示されます。モデルによって多少異なりますが、基本的には「〇」のランプだけが点灯する状態が適正露出です。ランプが2つ同時に点灯することで、1/2段程度の露出のズレを示すモデルもあります。
ニコン F2フォトミックの電池交換方法

ニコンF2フォトミックの露出計を正確に動作させるためには、適切な電池が不可欠です。電池が消耗すると、露出計の反応が鈍くなったり、誤った値を示したりする原因となります。幸い、電池交換は非常に簡単で、誰でも数分で行うことができます。
まず大前提として、F2は完全な機械式シャッターを搭載したカメラです。そのため、たとえ電池が切れていても、あるいは電池が全く入っていなくても、シャッターを切る、フィルムを巻き上げるなど、写真撮影の基本動作はすべて可能です。電池は、あくまでフォトミックファインダーの露出計を動かすためだけの電力源であると覚えておきましょう。
使用する電池の種類と特徴
F2フォトミックには、以下のいずれかのボタン電池を2個使用します。どちらも現在、家電量販店やカメラ店、コンビニエンスストアなどで容易に入手可能です。
- SR44 (酸化銀電池): 電圧が放電末期まで安定しているため、露出計の精度を長期間維持しやすいとされています。価格はLR44より少し高めですが、精度を重視するならこちらが推奨されます。
- LR44 (アルカリボタン電池): 価格が安く、入手しやすいのがメリットです。電圧が徐々に降下していく特性があるため、電池残量が少なくなると露出計の示す値にズレが生じる可能性があります。
簡単3ステップ!電池交換の手順
- カメラの底面を確認
カメラを安全な場所に逆さに置き、ボディの底面を確認します。三脚穴の近くに、溝が切られた円形の電池室カバーがあります。 - カバーを開ける
1円玉や5円玉などのコイン、あるいは丈夫な指の爪をカバーの溝に引っ掛け、反時計回り(左方向)に回してカバーを取り外します。 - 電池を正しい向きで入れる
古い電池を取り出し、新しい電池を2個、平らな面であるプラス(+)側を取り外したカバー側に向けて、正しく重ねて電池室に挿入します。その後、カバーを元通りに時計回りに回してしっかりと閉めれば交換は完了です。
電池のプラス・マイナスの向きを間違えると、露出計は全く作動しません。もし電池を交換しても露出計が動かない場合は、まず電池の向きが正しいか、そして電池自体に問題がないかを再確認してみてください。多くのフォトミックファインダーにはバッテリーチェック機能も付いています。
ニコン F2 フォトミックファインダーの外し方

ニコンF2が「システムカメラ」の王者たる所以の一つが、撮影目的や状況に応じてファインダーユニット全体を交換できる「ファインダー交換式システム」の採用です。フォトミックファインダーからシンプルなアイレベルファインダーへの交換、あるいはファインダースクリーンの清掃や交換を行う際に、この着脱方法を知っておく必要があります。一見複雑に見えますが、手順さえ覚えれば誰でも簡単かつ安全に行えます。
ファインダーを安全に取り外すための3ステップ
- ステップ1:側面レバーの操作(ロック解除準備)
カメラを通常通り構えた際、左手側、つまり巻き戻しクランクの根元あたりに、ファインダーの側面から突き出ている小さな黒いロック解除レバーがあります。まず、このレバーを指で押し下げます。 - ステップ2:背面ボタンの操作(ロック解除実行)
カメラの背面、ファインダー接眼部のすぐ右横に、丸く小さなロック解除ボタンがあります。ステップ1のレバーを押し下げた状態を保ったまま、この背面のボタンをもう一方の手でしっかりと押し込みます。 - ステップ3:ファインダーを引き抜く
側面のレバーと背面のボタンの両方を同時に押し込んだ状態を維持しながら、ファインダーユニット全体を掴み、カメラ本体に対してまっすぐ後方(撮影者側)へ、水平にスライドさせて引き抜きます。
ファインダーを再び取り付ける際は、取り外しの逆の手順は必要ありません。カメラボディ上部にある溝とファインダーのレールを合わせ、前から後方へ向かって水平にスライドさせます。「カチッ」という明確なクリック音がして、ファインダーが完全にロックされたことを必ず確認してください。取り付けが不完全な場合、ファインダーの脱落による破損や、露出計の連動不良といった重大なトラブルの原因となります。
この堅牢かつシンプルな着脱機構により、F2はTTL測光が可能なフォトミックファインダーから、ウエストレベルファインダーや高倍率ファインダーといった特殊なファインダーまで、あらゆる撮影シーンに瞬時に対応できる比類なき拡張性を実現しているのです。
Nikon F2で使えるフィルムの種類

Nikon F2の大きな魅力の一つは、現在でも世界中の写真用品店やオンラインストアで広く販売されている、最も標準的なフィルム規格「35mmフィルム(通称:135フィルム)」を使用できる点です。これにより、カメラの製造から半世紀が経過した今でも、多彩なフィルム表現を存分に楽しむことができます。
フィルムカメラの醍醐味は、デジタルカメラの「画作り」とは異なり、フィルムそのものの化学的な特性によって写真の色合いや階調、粒子感が決定される点にあります。F2で使える主なフィルムの種類と、その表現の可能性についてご紹介します。
カラーネガフィルム
最も一般的で、プリントやデータ化に適したフィルムです。ラチチュード(露出の許容範囲)が非常に広いため、多少の露出オーバーやアンダーをフィルムが吸収してくれ、初心者にも安心して使えるのが最大のメリットです。製品によって色の再現性に特徴があり、例えば「Kodak PORTRA」シリーズは温かみのある人肌の再現性に定評があり、「FUJIFILM SUPERIA」シリーズは鮮やかな風景描写が得意とされています。
モノクロ(白黒)フィルム
光と影、そしてその間の無限の階調(トーン)だけで世界を切り取る、奥深い表現が可能なフィルムです。作品作りを志向する多くの写真家に愛されています。「ILFORD HP5 PLUS」のような伝統的な粗粒子フィルムは力強い表現に、「Kodak T-MAX」のような近代的なT粒子フィルムはシャープで滑らかな表現に向いています。自家現像に挑戦することで、さらに表現の幅を広げることも可能です。
リバーサルフィルム(ポジフィルム、スライドフィルム)
見たままの鮮やかな色を再現することに特化したフィルムです。ラチチュードは非常に狭く、1/3段単位でのシビアな露出コントロールが要求されますが、適正露出で撮影されたポジフィルムの美しさは息をのむほどです。「FUJIFILM Velvia」の超高彩度な発色や、「Kodak Ektachrome」の忠実な色再現など、その個性はデジタルでは再現困難な領域にあります。
ニコンF2のフォトミックファインダーは、ASA 6から6400という、現代のデジタルカメラにも匹敵する極めて広大なフィルム感度設定範囲を誇ります。これにより、日中の風景撮影に適したISO 50や100といった低感度フィルムから、夜間や室内での撮影で活躍するISO 1600や3200といった高感度フィルムまで、市販されているほぼ全ての35mmフィルムの性能を最大限に引き出すことが可能です。
まとめ:ニコン f2 フォトミック 種類の違い
この記事では、ニコンF2フォトミックの多彩なバリエーションと、その魅力を最大限に引き出すための知識について、詳細に解説してきました。機械式フィルムカメラのひとつの完成形であるF2フォトミックは、半世紀の時を超えてなお、多くの写真愛好家を魅了し続ける不朽の名機です。最後に、本記事の要点をリスト形式で振り返ります^^
この記事のポイント
- ニコンF2は1971年に登場し約10年間生産されたプロ用機械式一眼レフの最高峰
- フォトミックとはレンズを通した光を測光するTTL露出計を内蔵したファインダーの総称
- フォトミックファインダーは機能と対応レンズの違いによりDP-1, S, SB, A, ASの5種類が存在する
- DP-1はF2発売時の標準モデルで非Aiレンズに対応しCdS受光素子と直感的な追針式メーターを搭載
- フォトミックS(DP-2)は表示をLEDに変更し暗所での撮影時の視認性を大幅に向上させた
- フォトミックSB(DP-3)は受光素子を応答性に優れるSPDに変更し測光性能を高めたモデル
- フォトミックA(DP-11)はレンズ交換を迅速に行えるAi方式に初めて対応した歴史的なモデル
- フォトミックAS(DP-12)はSBをAi化しSPDとLED表示を備えるF2用ファインダーの最終進化形
- ボディには製造時期によりミラー支持金具や巻き戻しクランクの形状が異なる前期・後期型がある
- シャッターは最高速度1/2000秒を誇る高耐久なチタン幕を採用し中間シャッターも使用可能
- ファインダー視野率はプロ機として必須の仕様である約100%を実現している
- アイレベルファインダーは露出計を持たないため軽量かつシンプルで電気的な故障リスクがない
- F2チタンは冒険家・植村直己氏の依頼で生まれたチタン外装を持つ極めて希少な特別モデル
- 露出計の電源は巻き上げレバーを予備角まで引き出すことでオンになる省エネ設計
- 使用電池は現在でも入手が容易なSR44またはLR44を2個でボディ底面から簡単に交換できる
- ファインダーは側面のレバーと背面のボタンで簡単に着脱でき多彩なシステムアップが可能
- フィルムは最も一般的な35mmフィルムを使用でき多彩な表現を楽しむことができる
報道のニコンと云われる筋合いがある
- プロ仕様の本格派📷高性能光学ファインダー搭載
- 秒間20コマの高速連写✨決定的瞬間を逃さない
- F2の明るい大口覧レンズ🌟暗所でも鮮明撮影
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