オリンパス(現OM SYSTEM)のカメラを持っているけれど、パナソニックの評判の良いレンズも使ってみたい。
逆に、パナソニックのカメラでオリンパスのシャープなレンズを試してみたい。
そんな気持ち、わかります^^
オリンパスとパナソニックのレンズに互換性はあるのか?という疑問は、マイクロフォーサーズという魅力的なカメラシステムに興味を持つ多くの方が抱く最初の疑問点です。
そもそも、マイクロフォーサーズとフォーサーズの違いは?、そして古い資産であるフォーサーズとマイクロフォーサーズのレンズ互換性は?といった、規格そのものに関する深い知識を求める声も少なくありません。この記事では、これらの基本的な疑問に明確に答えるとともに、パナソニックユーザーが気になるLUMIXレンズの互換性について、そしてオリンパスペンの対応レンズにはどのようなものがあるのかを具体的に解説します。
この記事を読めば、マイクロフォーサーズの互換レンズがいかに豊かで、創造性を刺激するものであるかを深く理解できるでしょう。
目次
オリンパスとパナソニックのレンズ互換性の基本

- オリンパスとパナソニックのレンズに互換性はあるのか?
- マイクロフォーサーズとフォーサーズの違いは?
- フォーサーズとマイクロフォーサーズのレンズ互換性は?
- オリンパスとパナソニックのレンズ比較
- LUMIXレンズの互換性について
- マイクロフォーサーズの互換レンズ
オリンパスとパナソニックのレンズに互換性はあるのか?
結論から明確に申し上げますと、OM SYSTEM(旧オリンパス)とPanasonic(パナソニック)のレンズには完全な基本的な互換性があり、アダプターなしで共通して使用することが可能です。この強力な互換性は、両社が2008年に共同で策定し、発表したミラーレスカメラのための共通規格「マイクロフォーサーズシステム」に基づいています。
この共通規格の採用により、OM SYSTEMのカメラボディ(OM-DシリーズやPENシリーズなど)に、パナソニックが製造するLUMIX Gレンズや、ライカ社の厳しい品質基準をクリアしたLEICA DGレンズを自由に装着できます。もちろん、その逆も同様で、パナソニックのカメラボディ(LUMIX Gシリーズなど)に、OM SYSTEMの高性能なM.ZUIKO DIGITALレンズを取り付けて撮影を楽しむことができます。
マイクロフォーサーズ規格の核心的な強み
メーカーの垣根を越えて、まるで純正レンズのように手軽にレンズを交換し、それぞれのメーカーが持つ個性的な描写や機能を享受できることが、マイクロフォーサーズシステムの最大の魅力であり、他のカメラマウントシステムにはない大きなアドバンテージです。これにより、ユーザーは膨大な数のレンズの中から、自身の撮影スタイルや表現したい世界観に最適な一本を、極めて自由に選択できるのです。
例えば、OM SYSTEMが誇る世界最高クラスのボディ内手ぶれ補正を搭載したカメラに、パナソニックのLEICA DGレンズが持つ、息をのむような美しいボケ味と繊細な描写力を組み合わせるといった、夢のようなシステムを構築できます。ただし、100%全ての機能がメーカー純正の組み合わせと全く同じように動作するわけではなく、手ぶれ補正の協調動作やレンズ内収差補正など、いくつかの機能面で注意すべき点が存在します。これらの実践的な詳細については、後のセクションで詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
マイクロフォーサーズとフォーサーズの違いは?

マイクロフォーサーズシステムを理解する上で、その前身である「フォーサーズシステム」との違いを知ることは非常に重要です。両者は名前が似ており、同じ4/3型(フォーサーズ)イメージセンサーを採用していますが、カメラの内部構造とマウント仕様が根本的に異なります。
最大の違いは、デジタル一眼レフカメラの心臓部であったミラーボックスと光学ファインダーの有無です。フォーサーズは、レンズが捉えた光をミラーで反射させて光学ファインダーに導く構造を持つ一眼レフ規格でした。一方、マイクロフォーサーズは、このミラーボックスを完全に取り払ったミラーレス規格として誕生しました。
このミラーレス化により、マウント面からイメージセンサーまでの距離である「フランジバック」を劇的に短縮することに成功。これがシステム全体の小型化と、レンズ設計における大きな自由度をもたらしました。
ミラーを無くしたことが、マイクロフォーサーズのコンパクトさと高画質を両立させる鍵だったのですね!
具体的な仕様の違いは以下の表の通りです。
規格 | カメラの種類 | ミラーボックス | フランジバック | マウント径 |
---|---|---|---|---|
フォーサーズ | デジタル一眼レフ | あり | 38.67mm | 約50mm |
マイクロフォーサーズ | ミラーレス一眼 | なし | 19.25mm (約半分) | 約44mm |
フランジバックが短いことの恩恵は計り知れません。特に広角レンズにおいて、センサーの近くにレンズの後玉を配置できるため、小型でありながら画面の隅々までシャープな、歪みの少ない高性能レンズを設計しやすくなりました。この技術的な革新こそが、マイクロフォーサーズシステムが「小型軽量でありながら高画質」という評価を確立した大きな理由の一つです。この規格の詳細は、Four Thirdsの公式サイトでも確認できます。
フォーサーズとマイクロフォーサーズのレンズ互換性は?

フォーサーズとマイクロフォーサーズは、前述の通りマウントの物理的な仕様が異なるため、残念ながら直接の互換性はありません。つまり、フォーサーズ規格のレンズ(例:ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWDなど)を、マイクロフォーサーズ規格のカメラ(例:OM-D E-M1 Mark IIIなど)にそのまま取り付けることは不可能です。
初心者の方にはこちらがオススメ🔰
強力なボディー内手ぶれ補正機構と、防塵防滴・小型軽量のボディー
OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M5 MarkII
- 5軸5段手ぶれ補正搭載 防塵防滴の小型軽量ボディ 💪
- シネマ品質動画が手持ちで OM-D MOVIEを実現 🎬
- 40Mハイレゾショットで フルサイズ超えの解像力 ✨
- 236万ドット大型EVFで 倍率1.48倍の見やすさ 👁️
OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M5 MarkIIを詳しく見る>>
旧製品で唯一のウィークポイントであった、遅いオートフォーカスが改善されています。
パナソニック(Panasonic) 標準単焦点レンズ マイクロフォーサーズ用 ルミックス LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH. ブラック H-XA025
- 歪曲収差補正対応で画面隅々まで高画質 📸✨
- MTF曲線で確認できる高い光学性能 📊💎
- レンズマウント基準面からの正確な設計 🎯🔧
- パナソニック独自の高品質光学技術を凝縮 🌟👌
パナソニック(Panasonic) 標準単焦点レンズ マイクロフォーサーズ用 ルミックス LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH. ブラック H-XA025を詳しく見る>>
開放時からピント面の解像感は高く、ボケも綺麗
OLYMPUS 超望遠ズームレンズ ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD
- F2.8-3.5の明るさで望遠域も高画質撮影 🔭✨
- 50-200mm(35mm換算100-400mm相当)の便利な4倍ズーム 📸🎯
- 15群16枚の高性能光学設計で高解像度 💎🌟
- オートフォーカス対応でスポーツ撮影も快適 ⚡👌
OLYMPUS 超望遠ズームレンズ ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWDを詳しく見る>>
しかし、レンズ資産を無駄にしないために、救済策が用意されています。OM SYSTEM(オリンパス)やパナソニックが公式に提供している専用のマウントアダプターを使用することで、フォーサーズレンズをマイクロフォーサーズのボディに装着し、撮影することが可能になります。代表的なアダプターには、オリンパスの防塵防滴対応「MMF-3」や、パナソニックの「DMW-MA1」などがあります。
マウントアダプター使用時のオートフォーカス(AF)に関する重要事項
マウントアダプターを介してフォーサーズレンズを使用する場合、最も注意すべき点はオートフォーカス(AF)の性能です。多くの組み合わせでは、AF速度が著しく低下したり、あるいは全く機能しない(マニュアルフォーカス専用となる)ことがあります。特に、コントラストAFのみを搭載する初期のマイクロフォーサーズカメラでは、実用的なAF速度は期待できません。
ただし、像面位相差AFを搭載した一部のカメラボディ(OM-D E-M1シリーズなど)では、対応するフォーサーズレンズ(特に超音波モーターSWD搭載レンズ)との組み合わせにおいて、比較的高速で快適なAFが可能です。お持ちの機材の組み合わせによるAF性能については、事前の情報収集が不可欠です。
フォーサーズレンズには、「松レンズ」「竹レンズ」と愛称がつくほど描写力に定評のある名玉が多く存在します。これらのレンズが持つ独特の立体感や空気感を、最新のマイクロフォーサーズボディで楽しみたいと考えるユーザーにとって、マウントアダプターは過去と現在を繋ぐ重要な架け橋となるでしょう。
オリンパスとパナソニックのレンズ比較

同じマイクロフォーサーズという大地に立ちながら、OM SYSTEM(オリンパス)とパナソニックは、それぞれ異なる目的地を目指してレンズを開発しています。両社のレンズ設計における思想や特徴を比較することで、どちらが自分の撮影スタイルに適しているかが見えてきます。これは優劣の問題ではなく、個性の違いを理解し、楽しむための比較です。
どんな写真を撮りたいかで、選ぶべきレンズの方向性が変わってきます。それぞれの個性を知ることが、レンズ沼の第一歩かもしれません!
OM SYSTEM(オリンパス):堅牢性と機動性、そして圧倒的な解像感
OM SYSTEMのレンズ哲学は、創業者 山下長さんの「カメラは携帯するもの」という思想に深く根ざしています。その思想は、最高峰シリーズである「M.ZUIKO PRO」に色濃く反映されています。PROレンズの多くは、雨天や雪山といった過酷な環境下でも撮影を続けられる防塵・防滴・-10℃耐低温性能を備えています。さらに、世界最高クラスの性能を誇るボディ内手ぶれ補正と連携する「5軸シンクロ手ぶれ補正 IS」は、三脚が使えない場所での手持ち撮影の常識を覆しました。描写は、画面の隅々まで均一でシャープな解像感を追求しており、風景写真などでその真価を発揮します。
Panasonic(パナソニック):動画との融合、そしてライカという伝統
パナソニックは、デジタルシネマカメラ「VARICAM」などで培った映像技術をレンズ設計に活かしており、動画撮影への高い親和性が最大の特徴です。動画撮影中に気になるピント移動時の画角変動(フォーカスブリージング)を徹底的に抑制し、静かで滑らかなオートフォーカス駆動を実現しています。そして、パナソニックのレンズを語る上で欠かせないのが、ドイツの名門ライカカメラ社の厳しい光学基準をクリアした「LEICA DG」レンズの存在です。これらのレンズは、単にシャープなだけでなく、とろけるように美しいボケ味や、被写体が浮き立つような豊かな階調と立体感のある描写で、多くの写真愛好家を魅了し続けています。
メーカー / シリーズ | 設計思想・特徴 | 代表的なレンズ例 | 特に強みを発揮する撮影シーン |
---|---|---|---|
OM SYSTEM (M.ZUIKO PRO) | ・プロの要求に応える堅牢性 (防塵防滴) ・強力な手ぶれ補正 ・画面全体での高い解像感 |
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO |
風景、野鳥、登山、スポーツ、悪天候下での撮影 |
Panasonic (LEICA DG) | ・動画撮影への最適化 ・ライカ基準の美しい描写とボケ味 ・絞りリングなど直感的な操作性 |
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH. LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. |
シネマティック動画、ポートレート、スナップ、物撮り |
パナソニック最高価格のレンズ、良くて当たり前
- 世界初!ズーム全域F1.7の大口径標準ズーム 🌟🔥
- 20-50mm相当で単焦点5本分の焦点距離をカバー 📸✨
- LEICA DG VARIO-SUMMILUXの最高峰光学性能 💎👑
- 防塵防滴&約690gの軽量設計で高い機動力 🛡️🎒
手にしたその日から、ときめきフォトライフ
パナソニック(Panasonic) 単焦点 中望遠レンズ マイクロフォーサーズ用 ライカ DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S. H-NS043
- マイクロフォーサーズ最高峰F1.2の大口径NOCTICRON 🌟👑
- 9枚羽根円形絞りで柔らかく美しいボケ味を実現 ✨💫
- 240fps駆動の高速AFとPOWER O.I.S.手ブレ補正搭載 ⚡🛡️
- ナノサーフェスコーティングで透明感ある描写 💎📸
LUMIXレンズの互換性について

パナソニックが展開するミラーレス一眼カメラ用レンズ「LUMIX Gシリーズ」は、前述の通り、OM SYSTEM(オリンパス)製のマイクロフォーサーズ規格カメラと高い互換性を有しています。基本的な撮影動作、例えばオートフォーカスや絞りの制御などは、メーカーをまたいでも問題なく機能します。
この互換性の高さは、パナソニックの公式サイトで公開されている他社商品との動作確認情報からも裏付けられています。このリストでは、OM SYSTEM(旧オリンパス)の歴代のカメラボディと、パナソニック製レンズの組み合わせにおける動作可否が詳細に記載されており、ユーザーは安心してレンズを選択することができます。
ただし、パナソニックが独自に開発した先進機能の一部は、その性能を最大限に発揮するためにボディとレンズ双方の連携を必要とするため、OM SYSTEMのボディと組み合わせた際には利用に制限が生じる点に注意が必要です。
OM SYSTEMボディでは機能しない、または制限されるパナソニックの独自機能
- Dual I.S. / Dual I.S. 2
パナソニックのボディ内手ぶれ補正と、レンズ内手ぶれ補正(O.I.S.)を高度に協調させ、極めて高い補正効果を生み出す技術です。OM SYSTEMのボディでは、この「協調」動作は行われず、主にボディ側の手ぶれ補正が機能します。 - 空間認識AF(DFDテクノロジー)
被写体までの距離を瞬時に算出し、高速・高精度なAFを実現するパナソニック独自の技術です。この技術はLUMIXボディに搭載されているため、OM SYSTEMのボディでは通常のコントラストAFとして動作します。AF速度が極端に遅くなるわけではありませんが、DFDの恩恵は受けられません。 - レンズの絞りリング
一部のLEICA DGレンズなどに搭載されている、直感的な操作が可能な絞りリングは、パナソニック製ボディでの使用を前提として設計されています。そのため、OM SYSTEM製ボディでは機能しない、あるいは期待通りに動作しない場合があります。
これらの機能制限は、撮影が不可能になるという類のものではありません。特に、LEICA DGレンズが持つ優れた描写力は、OM SYSTEMのボディと組み合わせても全く損なわれることはなく、その魅力を十分に楽しむことができます。
マイクロフォーサーズの互換レンズ

マイクロフォーサーズシステムの懐の深さは、OM SYSTEMとパナソニックという二大メーカーの存在だけに留まりません。このオープンな規格に賛同し、数多くのサードパーティ(レンズ専業メーカー)が個性的で高性能なレンズを市場に投入していることも、ユーザーにとって大きな魅力となっています。
純正レンズにはないユニークなスペックや、優れたコストパフォーマンスを持つこれらの互換レンズは、写真表現の可能性をさらに押し広げてくれます。マイクロフォーサーズのレンズ選びを検討するなら、これらのメーカーの存在は決して無視できません。
マイクロフォーサーズを支える主要サードパーティメーカー
- SIGMA(シグマ)
- 日本の大手レンズメーカー。「Contemporary」ラインとして展開するF1.4の単焦点レンズトリオ(16mm, 30mm, 56mm)は、純正レンズを凌駕するとも言われる圧倒的な解像感と、美しく大きなボケ味、そして驚異的なコストパフォーマンスから「神レンズ」と称され、多くのマイクロフォーサーズユーザーに愛用されています。
- TAMRON(タムロン)
- 高倍率ズームレンズのパイオニアとして知られるメーカー。マイクロフォーサーズ向けにも、「14-150mm F/3.5-5.8 Di III」など、旅行先でレンズ交換の手間を省きたいときに重宝する、一本で広角から望遠までをカバーする便利なズームレンズを提供しています。
- COSINA(コシナ)
- 伝説的なドイツの光学ブランド「Voigtländer(フォクトレンダー)」の名を冠した、極めて明るいマニュアルフォーカスレンズを製造しています。開放F値がF0.95という、人間の目を超える明るさを実現した「NOKTON」シリーズは、独特の柔らかいボケと雰囲気を持ち、デジタルでありながらフィルムのような情緒的な表現を求めるユーザーから熱狂的な支持を受けています。
- 中国系レンズメーカー(銘匠光学、七工匠など)
- 近年、急速に存在感を増しているのが、中国発のレンズメーカー群です。手頃な価格でありながら、金属製のしっかりとした鏡筒や、ユニークな描写を持つマニュアルフォーカスレンズを次々とリリースしており、新しい表現を模索するクリエイターや、気軽にレンズ交換を楽しみたい初心者にとって、魅力的な選択肢となっています。
これらのサードパーティ製レンズも、マイクロフォーサーズ規格に正式に準拠しているため、OM SYSTEMとパナソニック、どちらのカメラボディにも安心して装着し、撮影を楽しむことができます。
オリンパスとパナソニックのレンズ互換性の詳細

- オリンパスボディにパナソニックレンズ使用時の手ぶれ補正
- オリンパスボディにパナソニックレンズ使用時の色収差
- オリンパスペンの対応レンズ
- オリンパスのレンズ対応表
オリンパスボディにパナソニックレンズ使用時の手ぶれ補正
OM SYSTEM(オリンパス)製のカメラが世界に誇る最大の特長の一つが、極めて強力で高精度なボディ内5軸手ぶれ補正機構です。この機能は、レンズ側に手ぶれ補正機能があるかどうかにかかわらず、どのようなレンズを装着しても有効に機能するという大きな利点があります。
したがって、パナソニック製のLUMIX Gレンズ(レンズ内手ぶれ補正O.I.S.の有無を問わず)をOM SYSTEMのボディに装着した場合、ボディ側の強力な5軸手ぶれ補正が常に働き、手ぶれを効果的に抑制してくれます。例えば、パナソニックの銘玉「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH.」のようにレンズ側に手ぶれ補正がないレンズでも、OM SYSTEMのボディと組み合わせれば、薄暗い室内での撮影や夜のスナップ撮影などで、三脚なしでもブレの少ないクリアな写真を撮ることが容易になります。
旧製品で唯一のウィークポイントであった、遅いオートフォーカスが改善されています。
パナソニック(Panasonic) 標準単焦点レンズ マイクロフォーサーズ用 ルミックス LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH. ブラック H-XA025
- 歪曲収差補正対応で画面隅々まで高画質 📸✨
- MTF曲線で確認できる高い光学性能 📊💎
- レンズマウント基準面からの正確な設計 🎯🔧
- パナソニック独自の高品質光学技術を凝縮 🌟👌
「協調手ぶれ補正」は機能しないという重要な注意点
ここで最も重要な注意点は、パナソニックのカメラとレンズで実現される「Dual I.S. 2」のような、ボディ内手ぶれ補正とレンズ内手ぶれ補正が「協調」して動作する機能は、メーカーをまたいだ組み合わせでは機能しないという点です。
OM SYSTEMのボディに、パナソニックのレンズ内手ぶれ補正(O.I.S.)付きレンズを装着した場合、カメラのメニュー設定でどちらの補正を優先するかを選択することになります。一般的には、角度ブレ・シフトブレ・回転ブレの5軸全てに対応し、補正効果も高いOM SYSTEMのボディ内手ぶれ補正を優先させるのがセオリーとされています。特にOM-1などのフラッグシップ機では、ボディ単体で最大7.0段分という驚異的な補正効果を誇るため(OM SYSTEM公式サイトより)、多くの場合で十分以上の性能を発揮します。
望遠レンズでの撮影など、特定の状況ではレンズ内手ぶれ補正が有利な場面も理論上は考えられますが、基本的にはOM SYSTEMのボディ内補正に任せることで、安定した撮影結果が得られるでしょう。
オリンパスボディにパナソニックレンズ使用時の色収差

現代のデジタルカメラは、撮影した画像をJPEGとして記録する際に、レンズ固有の光学的弱点(収差)をデジタル処理で補正する機能を標準で搭載しています。主な補正項目は、画像の輪郭部分に現れる色のズレである「倍率色収差」、直線が樽型や糸巻き型に歪む「歪曲収差」、そして画面の四隅が暗くなる「周辺光量落ち」の3つです。
OM SYSTEM(オリンパス)のカメラボディは、当然ながら自社のM.ZUIKOレンズの光学データを内部に保持しており、純正レンズを装着した際には、そのレンズの特性に合わせて最適化された完璧な収差補正を自動的に適用します。
では、パナソニック製のレンズを装着した場合はどうなるのでしょうか。マイクロフォーサーズ規格では、レンズからボディへ基本的な情報が伝達されるため、ある程度の収差補正は機能します。しかし、その補正精度は、やはり純正レンズ装着時と比較すると完璧ではない可能性があります。特に、設計の古いレンズや、極端な特性を持つレンズでは、補正しきれずにわずかな色収差などがJPEG画像に残ってしまうケースも考えられます。
画質を最大限に追求するならRAW現像がベストな解決策
もし、メーカーをまたいだ組み合わせで、レンズの性能を100%引き出し、最高の画質を追求したいのであれば、撮影時の記録形式をJPEGではなくRAWに設定することを強く推奨します。
RAWファイルは、カメラ内でデジタル補正が適用される前の、センサーが捉えた生の光の情報を記録したデータです。このRAWファイルを、Adobe Lightroom ClassicやOM SYSTEM純正の「OM Workspace」といった現像ソフトで開くと、ソフトウェアが持つ豊富なレンズプロファイルデータベースに基づいて、極めて高精度な収差補正を後から適用することができます。これにより、たとえパナソニック製レンズをOM SYSTEMのボディで使ったとしても、収差が綺麗に補正された理想的な画像を得ることが可能なのです。
オリンパスペンの対応レンズ

「OLYMPUS PEN」シリーズ(最新モデルは「OM SYSTEM PEN E-P7」)は、フィルムカメラ時代を彷彿とさせるクラシカルで美しいデザインと、小型軽量なボディで、多くの写真愛好家、特に女性ユーザーから絶大な支持を得ているカメララインです。
そのスタイリッシュな外観から特別なレンズが必要だと思われるかもしれませんが、PENシリーズが採用しているマウント規格も、OM-Dシリーズなどと同じ正真正銘の「マイクロフォーサーズ」です。したがって、これまでのセクションで解説してきた全てのレンズが、PENシリーズの「対応レンズ」となります。
「OLYMPUS PEN」で広がる無限のレンズの世界
PENシリーズのコンパクトなボディには、どのようなレンズも装着可能です。これにより、見た目のコーディネートを楽しむように、レンズを選ぶことができます。
- OM SYSTEM / OLYMPUS純正レンズ
M.ZUIKO DIGITALシリーズの全てのレンズが使用可能です。特に、薄型で高性能な「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」などのPREMIUM単焦点レンズは、デザインのマッチングも良く、PENを最高のスナップシューターに変身させます。 - Panasonic純正レンズ
LUMIX G / LEICA DGレンズも全て装着できます。例えば、伝説的なパンケーキレンズ「LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.」を装着すれば、ポケットにも収まるほどの究極のコンパクトシステムが完成します。 - サードパーティ製レンズ
SIGMA、TAMRON、COSINA Voigtländerといったメーカーの個性豊かなレンズ群も、もちろん全て使用可能です。PENのデザイン性を活かし、クラシカルなデザインのMFレンズと組み合わせるのも一興です。
つまり、「オリンパスペンの対応レンズ」という問いに対する答えは、「現在市場に流通している、ほぼ全てのマイクロフォーサーズ規格レンズ」ということになります。この圧倒的なレンズ選択の自由度こそが、PENシリーズが長く愛され続ける理由の一つなのです。
オリンパスのレンズ対応表

OM SYSTEM(オリンパス)は、公式サイト上で自社レンズのラインナップを網羅したページを公開しており、これがユーザーにとって最も信頼できる「レンズ対応表」となります。M.ZUIKO DIGITALというブランド名を冠したレンズは、現行のOM SYSTEM PENやOM-Dシリーズはもちろん、過去に発売された全てのマイクロフォーサーズ規格のカメラボディに装着可能です。
レンズ選びをより容易にするため、OM SYSTEMのレンズ群は主に3つのグレードに明確に分類されています。それぞれのコンセプトを把握することで、予算や撮影目的に応じた最適な一本を見つけ出すことができます。
シリーズ名 | コンセプト | 主な特徴 | こんなユーザーにおすすめ |
---|---|---|---|
「絶対的な光学性能と信頼性」 | ・防塵防滴・耐低温性能 ・F2.8通し、F4通しなどの大口径・固定絞り ・金属製鏡筒、マニュアルフォーカスクラッチ機構 |
画質に一切の妥協を許さないプロフェッショナルやハイアマチュア。過酷な環境で撮影するアウトドア愛好家。 | |
「高品位な描写と所有する喜び」 | ・F1.8やF1.2の明るい単焦点レンズ ・美しく大きなボケ味 ・金属外装による高い質感とデザイン性 |
ポートレートやスナップで、背景をぼかした印象的な写真を撮りたいユーザー。カメラのデザインとの一体感を重視する方。 | |
「小型軽量と優れた基本性能」 | ・抜群の携帯性(パンケーキレンズなど) ・高いコストパフォーマンス ・標準/望遠/高倍率ズーム、マクロなど多彩なラインナップ |
これからレンズ交換を始める初心者。旅行や日常使いで、とにかく機動性を重視したいユーザー。 |
最新のレンズラインナップ、各レンズの詳細な仕様やMTF曲線などのデータについては、常に公式サイトで最新の情報を確認することが最も確実です。レンズ選びに迷った際は、まずこの公式情報を参照することをお勧めします。(参照:OM SYSTEM公式サイト 交換レンズ)
オリンパスとパナソニックのレンズ互換性の総括
この記事のポイント
- OM SYSTEM(オリンパス)とパナソニックは共通のマイクロフォーサーズ規格を採用している
- その結果、両社のレンズとカメラボディには高いレベルでの基本的な互換性が存在する
- 特別なマウントアダプターなどを介さず、直接レンズを相互に装着することが可能である
- メーカーの垣根を越えた100本以上の豊富なレンズ選択肢がマイクロフォーサーズ最大の魅力
- 旧規格であるフォーサーズシステムのレンズも、専用アダプターを介せば使用できる
- OM SYSTEMは堅牢性や手ぶれ補正、解像感を重視し、パナソニックは動画性能やLEICAレンズの描写を重視する傾向にある
- ただし、メーカーをまたいだ組み合わせでは、協調手ぶれ補正(Dual I.S.など)は動作しない点に注意が必要
- 色収差などのデジタルレンズ補正は、やはり純正同士の組み合わせが最も最適化されている
- もし収差が気になる場合は、RAW形式で撮影し現像ソフトで補正するのが最善の解決策である
- 人気のOLYMPUS PENシリーズもマイクロフォーサーズ規格のため、全ての対応レンズが使用できる
- シグマやタムロン、コシナといったサードパーティからも、魅力的で個性的なレンズが数多く発売されている
- レンズが持つ最高の性能を引き出すには、同一メーカーの組み合わせが有利な場面も存在する
- しかし、描写の好みや撮影目的に応じて自由にシステムを構築できる楽しさこそがマイクロフォーサーズの醍醐味である
- 高価なレンズの購入を検討する際は、まずカメラのレンタルサービスなどで実際の写りや使い勝手を試すのも有効な手段と言える
強力なボディー内手ぶれ補正機構と、防塵防滴・小型軽量のボディー
OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M5 MarkII
- 5軸5段手ぶれ補正搭載 防塵防滴の小型軽量ボディ 💪
- シネマ品質動画が手持ちで OM-D MOVIEを実現 🎬
- 40Mハイレゾショットで フルサイズ超えの解像力 ✨
- 236万ドット大型EVFで 倍率1.48倍の見やすさ 👁️
OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M5 MarkIIを詳しく見る>>
旧製品で唯一のウィークポイントであった、遅いオートフォーカスが改善されています。
パナソニック(Panasonic) 標準単焦点レンズ マイクロフォーサーズ用 ルミックス LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH. ブラック H-XA025
- 歪曲収差補正対応で画面隅々まで高画質 📸✨
- MTF曲線で確認できる高い光学性能 📊💎
- レンズマウント基準面からの正確な設計 🎯🔧
- パナソニック独自の高品質光学技術を凝縮 🌟👌
パナソニック(Panasonic) 標準単焦点レンズ マイクロフォーサーズ用 ルミックス LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH. ブラック H-XA025を詳しく見る>>
関連記事
こちらの記事ではLUMIXの豆知識をご紹介しています^^
- 【プロ記者が解説】LUMIX G100D手ぶれ補正の性能は?
- 【有り?無し?】LUMIX(ルミックス)G100Dをプロ記者が徹底レビュー
- 【愛された名機】LUMIX DC-FZ85は生産終了?後継機は?
- 【本当にオススメなのか?】LUMIX FZ85後継機:FZ85Dを徹底レビュー